2009年8月30日

米国NTCの2009年度研究概要


  NTC (National Textile Center)は、米国の繊維系大学の共同研究体として1992年に設立された組織で、1)加盟8大学(ノースカロライナ州立大学、オーバーン大学、クレムソン大学、ジョージア工科大学、マサチューセッツ・ダートマス大学、フィラデルフィア大学、コーネル大学、カリフォルニア大学デービス校)の共同研究推進、2)米国の繊維関係の産学共同研究推進の中心機関として活動している。
  毎年、産業界のニーズに合致したテーマが採択され、上記8大学に振り分けて研究が推進されている。研究分野は、(1)化学(繊維の化学修飾及び加工技術等の開発)、(2)ファブリケーション(繊維及びテキスタイル製造技術の開発)、(3)材料(天然及び合成高分子及び繊維の開発)、(4)マネジメントシステム(製品設計、生産及び流通システム等の開発)の4分野で、2009年度は計43件のテーマが推進されている。

表1 NTCの研究分野別採択件数の推移

研究分野

2005年

2006年

2007年

2008年

2009年

化学

20

15

14

10

7

ファブリケーション

21

26

23

16

14

材料

22

20

18

14

10

マネジメントシステム

14

15

12

11

12

合計

77

76

67

51

43


表2 2009年度大学別・分類別研究件数

出所: NTC Research Program

大学名

化学

ファブリケーション

材料

マネジメントシステム

ノースカロライナ州立大学

1

1

3

3

8

オーバーン大学

2

1

1

6

10

クレムソン大学

2

1

1

-

4

ジョージア工科大学

-

2

1

-

3

マサチューセッツ・ダートマス大学

1

5

2

-

8

フィラデルフィア大学

-

2

-

-

2

コーネル大学

1

2

1

1

5

カリフォルニア大学デービス校

-

-

1

2

3

合計

7

14

10

12

43


  以下、NTCの2009年度研究テーマを大学別に紹介する。

ノースカロライナ州立大学
  • 表面相互作用の理化学と繊維用潤滑剤の開発
  • ナノファイバー創傷保護材の開発
  • 生分解性シクロデキストリンによるテキスタイル改質技術の開発
  • リチウムイオン電池用の複合ナノファイバーの開発
  • 人工筋肉アクチュエーターの開発
  • テキスタイルプロセスと品質管理システムの開発
  • ニットガーメント設計・製造のための統合システムの開発
  • 繊維リサイクルシステムの研究
オーバーン大学
  • 繊維形成のための有機イオン溶液の調査
  • 有害物質自己除去テキスタイルの開発
  • 電子伝達能力を備えた強化ファブリックの開発
  • 効果的な生物学的/化学的防護テキスタイルの開発
  • 男性ファッションにおける個性の変化とアパレルトレンドの分析
  • アパレル分野の戦略と3つの重要点(経済性/消費者/環境)の調査
  • 少年用特大サイズアパレルに関する調査とデータ分析
  • アパレルブランドのビジュアルレキシコン(目録)の開発
  • 購買決定におけるブランドイメージの重要要素の分析
  • 綿の品種を区別するための科学的手法の開発
クレムソン大学
  • 蛋白質を選択吸着する分子インプリント繊維の開発
  • PETの燃焼挙動におけるシリコン加工の効果
  • 生物学的パターンのファブリック上への直接書込み技術の開発
  • 濡れ応答性を備えたアルギン酸ナノファイバーの開発
ジョージア工科大学
  • 超音波ジェット分裂法による超極細フィラメントの開発
  • 電気エネルギー回収のための圧電ファイバー及びファブリックの開発
  • 階層的に設計された導電弾性繊維の開発
マサチューセッツ・ダートマス大学
  • 織物デジタルプリント用インクの開発
  • 蛍光ファイバーを用いたナノファブリックの構造解析
  • ポアソン比に影響を及ぼす要素とテキスタイル構造・性能の分析
  • 青色レーザーを使用した接着剤と医療用三次元テキスタイルの開発
  • ショートファイバーを用いた強化構造体の開発
  • エアフィルター用の繊維製バイオリアクター濾材の開発
  • カーボンナノチューブを用いた電界発光用テキスタイル電極の開発
  • 原子間力顕微鏡を用いた繊維の表面脆化挙動の研究
フィラデルフィア大学
  • PP/PLA芯鞘構造ファイバーを用いた香料封入テキスタイルの開発
  • 壁装用の環境適合性ファブリックの開発(シックハウス症候群対策)
コーネル大学
  • 二酸化チタンを用いた防護服用複合微多孔膜の開発
  • セルロース/大豆蛋白の環境配慮型複合材料の開発
  • 超音波原子間力顕微鏡法によるポリマー流動分析
  • セルロース系ナノファイバーを用いたバイオハザードセンサーの開発
  • 三次元人体計測技術を用いたいアパレル用適合分析装置の開発
カリフォルニア大学デービス校
  • 生体模倣による機能性ファイバーの開発
  • ファブリックと皮膚の相互作用(接触、摩擦、運動時等)の研究
  • 多機能防護服に関わる研究ネットワークの構築

(担当:技術グループ 大松沢)
海外速報No.831 / 2009年8月30日

 


back
topへ

当ウェブサイト上の掲載情報、画像(写真)等の無断複写・転載を禁止します。