よくわかる化学せんい

高機能化学繊維素材

化学繊維における機能素材の開発
 市場の多様なニーズに応える形で、ポリエステルやナイロン、アクリルなどの化学繊維に機能性を付与した素材が開発されています。現在では衣料品や寝装・インテリア、日用品・雑貨品、医療関連など様々な分野で使われており、消費者にも広く認知されています。化学繊維に機能を付与する手法にはポリマー改質や異型断面化、極細化、後加工など様々な手法があり、後加工が中心の天然繊維よりも多様な形で開発が可能です。本稿では代表的な機能素材の概要を紹介します。(2017年3月掲載)

機能素材の主な種類
分類 機能素材の種類
快適性(春夏) 吸水速乾、接触冷感、調湿・吸放湿、遮熱・UVカット、汗染み防止など
快適性(秋冬) 保温、発熱、遠赤外線放射、蓄熱など
着用快適性 ストレッチ、軽量性、撥水、透湿防水など
清潔性 消臭、抗菌防臭、防カビ、抗ウイルス
美容・健康 保湿、ノンアレルゲン(花粉防止、防ダニなど)、pHコントロールなど
安全性 難燃・防炎、制電、導電、高視認など
イージーケア 形態安定、ウオッシャブル・防縮、防汚など
エコロジー リサイクル、植物由来原料、生分解性など

 上にまとめたように機能素材には主なものだけでも数多くの種類があります。近年はより高いレベルで消費者のニーズに応えるため、性能の更なる向上だけでなく、複数の機能を併せ持つ形での素材開発も進んでいます。
 機能を付与する手法には、原料段階で機能薬剤を混ぜてから繊維にする練り込み型、加工により糸や織物の段階で機能薬剤を付着させる形があります。綿やウールなど天然繊維の場合は後加工が主流ですが、化学繊維は様々な手法が可能です。例えば原料の中に機能材を混ぜてから繊維にする手法では洗濯を繰り返すことによる機能劣化を極めて少なくするなどのメリットが得られます。また、本来は疎水性の合成繊維に親水基を付けて吸水性を持たせるなど化学的に機能性を付与する方法や、繊維断面を異型化して機能性を付与するなど化学繊維ならではの手法があります。


1.主要な化学繊維機能性素材の概要
2.主要な化学繊維機能性素材の評価方法の概要
3.主要な化学繊維機能性素材の各社別一覧表

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