よくわかる化学せんい

高機能化学繊維素材

 ポリエステルやナイロン、アクリルなどの汎用の化学繊維に新しい機能を付与した付加価値素材が開発されています。同素材には、その目的に応じて次表のような素材があります。本稿では、これら新しい機能を付与した化学繊維の機能素材を紹介します。(2005年3月掲載)

特性 素材
水分特性 吸湿素材、吸水・吸汗・速乾素材、はっ水素材、防水素材、透湿防水素材
熱特性(保温・軽量) 遠赤外線放射素材、蓄熱保温素材、吸湿発熱素材、軽量素材
運動機能 ストレッチ素材
特殊機能 防風性、透け防止
取扱いの容易性 形態安定加工素材、防汚素材
紫外線遮蔽素材、電磁波シールド素材
安全性 高強度素材、難燃・防炎素材、静電気帯電防止素材、導電素材
健康・衛生 抗菌防臭素材、制菌素材、防ダニ素材、防蚊素材、消臭素材、マイナスイオン素材、花粉対策素材、美容素材
環境調和 リサイクル素材、省エネシャツ、生分解素材

 なおこれらの高機能素材は、ポリエステル、ナイロン、アクリルなど合成繊維の場合には繊維の原料の中に機能剤を混ぜてから繊維化することにより、その機能を付与することができます。この場合には、繊維中に機能剤が含まれるため洗濯を繰り返してもその効果は持続します。
一方、綿や羊毛など天然繊維の場合には糸や織物の段階で機能剤を付与します。この時に繊維と直接反応する機能剤を用いる場合と、繊維との反応性が乏しい 場合には、繊維と機能剤とが強固に結合するようにバインダーと呼ばれる樹脂を用いる場合とがあります。この処理により洗濯耐久性のある機能が付与されま す。なお、合成繊維の場合でも、糸や織物の段階でこの処理により機能剤を繊維表面に付与することがあります。

機能性付与の方法
ポリマー改質 異種ポリマーとの共重合など
ポリマー改質 ポリマー中への機能剤(セラミックスなど)の添加など
繊維形成段階での改質 断面異形化、中空化、側面溝付与、太さ斑付与など
後加工 機能剤のパディング、スプレー、コーテイング、ラミネートなど

これらの化学繊維の機能性素材を次のような分類で紹介します。

1.主要な化学繊維機能性素材の概要
2.主要な化学繊維機能性素材の評価方法の概要
3.主要な化学繊維機能性素材の各社別一覧表

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