日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(中国) 2018年の繊維産業

2019年02月21日
日本化学繊維協会

中国 繊維景況

2018年の繊維産業

 2018年の中国の繊維業界は、全体的に安定する中、供給サイドの構造改革が進み、製品の高付加価値化が効果を挙げたことから、繊維業界の主な経済指標はどれもプラス成長となった。
 国家統計局、中国税関データによると、2018年の限度額以上アパレル靴帽子ニット製品の小売総額は前年比8.0%増と2017年の伸びを上回った。繊維品輸出額は前年比3.5%増の2,767億㌦と前年の伸びを2ポイント上回った。
 規模以上繊維企業の売上高は、前年比2.9%増の5.37兆元、利益総額は同8.0%増の2,766億元、増収増益となった。繊維業界全体の固定資産投資額は前年比5.0%増となった。
 中国の繊維産業は内需市場が主な支えとなった。特に、ネット販売伸びが大きく、2018年のインターネット衣類商品小売総額は前年比22%増となり、前年の伸びを1.7ポイント上回った。
 設備稼働は比較的高い水準を維持し、化繊業界と紡織業界の平均設備稼働率はそれぞれ81.8%、79.8%と高い水準であった。企業収益は改善された。規模以上繊維企業の販売利益率は5.2%となり、前年比を0.3ポイント上回った。とくに化繊業界の業績が好調であり、売上、利益額、投資額は前年比12.4%増、10.3%増、29.0%増と繊維業界全体の平均水準をどれも大きく上回った。
 中国紡織工業連合会によると、2018年第四四半期の繊維業界の景気指数は57.8と第三四半期と比べて4.7ポイント上昇した。2018年年間の業界の景気指数は常に景気拡大期を示す50以上を維持していた。
 2019年の中国の繊維業界は、外部環境はさらに複雑で厳しいものとなる見通しであり、国内需要が中国の繊維産業の成長を支える基礎となる。
 世界経済は引続き成長しており、「一帯一路」の推進も、繊維業界の多元的な市場開拓の促進につながる。保護主義の激化は中国のマクロ経済により大きな圧力となる。特に米中貿易摩擦は、短期的に解決することは難しく、繊維業界の輸出や関連製品の生産、雇用に直接影響するだけでなく、中国の繊維業界の国際分業におけるポジションや中国に対する投資戦略などへの影響を及ぼす見通し。