日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(中国) 恒力の石油精製・化学工業一体化計画が稼働開始

2019年05月30日
日本化学繊維協会

中国 合繊原料

恒力の石油精製・化学工業一体化計画が稼働開始

 5月17日、大手合繊メーカー恒力集団が進めてきた石化プロジェクト「恒力2000万㌧/年石油精製・化学工業一体化プロジェクト」の稼働開始式典が、国家七大石化産業基地の一つである遼寧省大連の長興島で開催された。
 同社によると、このプロジェクトは、高度なスタート地点戦略、高基準計画、高品質建設、高レベル稼働、高効率管理が採用されており、1回の建設規模では世界最大級の石油精製~化学工業一体化プロジェクトである。
 このプロジェクトは石油精製、芳香族炭化水素、ケミカル、石炭由来の水素、酢酸、メタノール、エチレン等の6つの部門からなり、設備能力は、石油精製が年産2000万㌧、エチレンが年産150万㌧、エチレングリコールが同180万㌧、パラキシレン(PX)が同450万㌧等である。また、着工から竣工まで19ヵ月であり、同規模プロジェクトの一般的な建設期間(3年以上)に比べ、建設速度の記録を打ち立てた。
 恒力集団は傘下の恒力石化が、同じく長興島で、2012年にPTAの生産を開始している。同PTA工場は、INVISTAの技術を導入し現在、第3期までが完成、設備能力は合計で年産660万㌧。2018年5月に第4期(年産250万㌧)のプロジェクト建設が開始している。
 この石油精製・化学工業一体化プロジェクトで生産されるPXなどの原料は、直接同社のPTA工場に供給され、恒力のポリエステル産業チェーンは、「石油精製‐芳香族‐化学工業‐PTA・EG‐ポリエステル長繊維、ポリエステルチップ、エンジニアプラスチック、フィルム~テキスタイル」までの整備が完成することになる。恒力集団は、世界をリードする「一滴の油」から「一枚の布」までの産業チェーンが完成したと述べている。
 同プロジェクトが稼働すると、恒力集団の年間生産高は1500億元以上、利益は380億元以上増加することが見込まれる。