タイ　化繊設備

Lenzing Group、リヨセル工場建設を決定

　オーストリアの大手セルロースメーカーのLenzing Groupは、６月２６日、2020年末までにタイのPrachinburi地区のIndustrial Park 304にリヨセル繊維TENCELの工場を新設する計画が正式に認可されたと明らかにした。タイ投資委員会（BOI）からの支援を受けており、工場建設は2019年秋に開始、工場の稼働開始は2021年末を予定している。工場の生産能力は年産10万㌧、投資額は約4億€。この工場は世界最大のリヨセル繊維工場となる。
　Lenzingは、今回の新工場建設について、同グループが展開する「sCore TEN」戦略の一環であり、リヨセル繊維など特殊繊維のシェアを拡大、その地位を強化していくとしている。
　アジアはLenzingグループの売上の7割を占める重要な市場であるほか、タイはアジアの主要国地域と自由貿易協定（FTA）を結んでいることなども建設地として選んだ理由に挙げている。また、Industrial Park 304は、総合的なインフラ、気候変動対策のためのCO2排出量の少ない持続可能なバイオエネルギーの供給といった面で優れていることなどが選択の理由としている。今後数年以内にさらに同地域での増設も検討しており、将来の増設のためのインフラ・土地確保も終えているという。