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2014年7月1日に統合しました

(インドネシア) APR、年産24万㌧のレーヨンS工場を開始

2020年02月28日
日本化学繊維協会

インドネシア 化繊設備 

APR、年産24万㌧のレーヨンS工場を開始

 Asia Pacific Rayon (APR) がこのほど、新たに建設していたレーヨンS工場の本格操業を開始した。開所式にはJoko大統領ほか主要閣僚や州知事等も出席した。
 約15兆ルピア(11億㌦)が投じられ、SumatraのRiau州Pangkalan Kerinciに建設された。グループ会社のAPRIL Pulp & Paperの溶解パルプ工場が隣接する。生産能力は年産24万㌧で、インドネシア最大級とレーヨンS工場となる。
 ファイバー輸出のほか、綿花輸入の代替が見込まれており、国内テキスタイル産業の競争力アップに貢献するものと期待されている。輸出先としては、トルコを中心に、パキスタン、バングラデシュ、ベトナム、ブラジル、欧州各国などの15カ国があげられている。輸出額は1.77兆ルピア(1.3億㌦)、輸入代替は2.01兆ルピア(1.49億㌦)が見込まれている。
 隣接するAPRIL Pulp & Paperの溶解パルプ工場から原料を調達するが、この溶解パルプは国内(Timber Legality Verification System)および海外(Program for the Endorsement of Forest Certification/PEFC)の環境認証を取得している。またAPRは、Oeko-TexのSTeP認証を取得した、初のインドネシアのレーヨンSメーカーとなるという。
APRは「Everything Indonesia」キャンペーンを開始し、溶解パルプからの一貫製造やサステナビリティをアピールする。
 APRは、林業、パルプ、レーヨン、石油、ガスなどの事業を手掛けるシンガポールの大手財閥 金鷹集団(RGE:Royal Golden Eagle)のグループ会社。RGEグループ傘下のレーヨンSメーカーには中国のSateri(設備能力は年産55万㌧)がある。また、同じくグループ会社のBracellとAPRIL Pulp & Paperは、ブラジルとインドネシアの持続可能な栽培方式で管理されるプランテーションからの木材で溶解パルプを生産している。
RGEは2019年10月、今後10年で2億㌦を投じてセルロース繊維の開発を進めることを明らかにしている。植物由来のセルロース原料の開発とクローズドループ式の製造方法による投資を行う方向(海外速報2019年10月30日)。