日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(中国) 桐昆、EF生産能力を35%拡大へ

2020年12月21日
日本化学繊維協会

化繊設備

桐昆、EF生産能力を35%拡大へ

 12月5日、大手ポリエステルメーカーの桐昆集団は、江蘇省宿遷市沭沭陽経済開発区との協議に調印した。桐昆集団は、今後、約150億元投じ、年産240万㌧のポリエステル長繊維工場を建設、500台の加工糸機械および1万台の織機を導入するほか、染色工場、エネルギーセンターを建設する計画。
 桐昆集団は、中国国内において、ポリエステル長繊維の生産能力、生産量、販売量が最大の企業であり、2001年から2019年まで19年連続で販売量が中国1位で、国内市場でのシェアは18%超、国際市場でのシェアは約12%となっている。
 2020年上半期時点での桐昆のPTA生産能力は年産420万㌧、ポリエステル重合能力は同640万㌧、ポリエステル繊維の生産能力は同690万㌧である。本プロジェクトが完成すれば同社のポリエステルの生産能力は約35%拡大することになる。
 桐昆によると、2019年の同集団の稼働率は100%を超えており、3工場については140%を超えるなど、フル生産が続いていることも能力拡大の要因という。新たなプロジェクトに関する資金調達は、自社資金、銀行融資、その他融資方法を利用し資金源を確保するとしている。
 今回のプロジェクトは、従来のポリエステル長繊維の生産方式から、ポリエステル長繊維~加工糸~織布の一体化によるアップグレードプロジェクトとして実施するとしている。
 桐昆のポリエステル長繊維の生産品種は、POY、FDY、DTY、複合糸など1,000以上の品種をカバーしており「ポリエステル長繊維業界のウォルマート」と呼ばれている。
 2019年の中国のポリエステル長繊維の生産能力は年産4,000万㌧を超えている。近年、ポリエステル長繊維の生産能力は主として大型トップ企業によるもので、業界のトップ6社の重合生産能力は中国全体の50%を超えている。