日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(中国) Sateri、中国のリヨセル繊維工場を増設へ

2021年03月22日
日本化学繊維協会

設備投資

Sateri、中国のリヨセル繊維工場を増設へ

 世界最大級のセルロース繊維メーカーSateriがこの度、中国国内におけるリヨセル繊維の生産拡大に向け、工場を増設することとなった。
 増設は、2025年に完了する予定であり、設備能力は合計年産50万㌧となる予定。この度の増設計画では、第1段階として、江蘇省の常州市と南通市に年産10万㌧の工場を新設することになっている。常州工場は、2022年第3四半期に稼働開始予定で、800人程度の雇用が予定されている。
 Sateriは、シンガポールの大手財閥である金鷹集団(RGE: Royal Golden Eagle)のグループ会社。現在、中国国内に5つのレーヨン短繊維工場と、1つの紡績工場があるが、近年は不織布やリヨセル繊維の事業に注力している。2020年5月にリヨセル繊維市場に参入し、山東省日照市に、年産2万㌧の工場と年産5,000㌧のパイロット工場を設立した。
 同社は、「我が社がリヨセル繊維の設備投資を続けるのは、繊維産業における需要拡大に応えるためだけではなく、中国の環境保全計画をサポートするためでもある」とコメントした。同社は昨年、「2030 Vision(2030年代のビジョン)」を公開し、その中で、セルロース繊維産業が直面している環境・社会的な課題を挙げ、自社のサステナブルな発展にコミットしているが、同社長によると、設備投資はそのコミットメントの一つとして重要な部分を占めているという。パルプ材で作られるリヨセル繊維は、最低限の化学品が使用されるサステナブルな繊維であることと、クローズドループでの生産が可能である点が高く評価されている。
 同社は、今後リヨセル繊維の需要が拡大する見通しから、顧客第一主義に基づき、国内外の市場における需要に見合うよう、ハイクオリティな商品を供給していきたい、技術向上のためにも投資していくとコメントした。