日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(E U) 持続可能な循環型産業へ移行プロジェクトを立ち上げ

2022年09月30日
日本化学繊維協会

環境

持続可能な循環型産業へ移行プロジェクトを立ち上げ

 9月27日、循環型で持続可能な繊維産業への移行を支援するプロジェクトCISUTAC(Circular & Sustainable Textiles & Clothing)が開始されたことが公表された。
 このプロジェクトは、欧州委員会の研究開発プロジェクトHorizon Europeのサポートを受けており、欧州繊維産業連盟(EURATEX)をはじめ、27のパートナーからなるコンソーシアム。
 2022年3月に欧州委員会より発表された「持続可能な循環型繊維戦略」では、繊維品の生産と消費が増加する一方、素材のリユース、リペア、リサイクルの不足による環境影響も懸念されている。衣料品のデザイン・製造においては、品質、耐久性、リサイクル性は優先事項ではないことも問題である、といった点が指摘されていた。
 CISUTACは、プロジェクト推進において、欧州繊維産業の循環性を高めるために、現在のボトルネックを取り除き、新しい持続可能で統合された大規模なバリューチェーンを発展させることで、繊維産業の環境負荷を最小化することを目指している。このプロジェクトでは、繊維消費の90%をカバーする2素材(ポリエステル、綿/セルロース繊維)を対象に、様々な循環のボトルネックを経験している3つのサブセクター(ファッション衣料、スポーツ・アウトドア、ユニフォーム)に焦点を当てる。
 CISUTACでは、技術面、セクター面、社会・経済的面をカバーする包括的なアプローチによって、3つのパイロットフェーズ(①修理・分解、②リユース・リサイクル、③繊維to繊維リサイクルによるサーキュラーアパレル・デザイン)を実施して、その実現可能性と価値を実証する。
そして、これらのフェーズ実現のため、コンソーシアムのパートナーは次の取り組みを進めていく。
・半自動化ワークステーションの開発
・インフラとマテリアルフローの分析
・デジタル化による分別作業(リユース・リサイクル)
・消費者や繊維業界の意識向上