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(世界) DuPontとLenzing、サステナブルな素材のコレクションを発表

2019年10月30日
日本化学繊維協会

世界 新製品

DuPontとLenzing、サステナブルな素材のコレクションを発表

 米国の化学品メーカーDuPont Biomaterialsと世界大手のレーヨン・リヨセル繊維メーカーLenzing AG(本社オーストリア)が、サステナブルな繊維のファブリックコレクションを発表した。DuPontのバイオ素材であるPTT繊維「Sorona」ブランドと、LenzingのTENCEL LyocellおよびTENCEL Modalを使って新しい素材を展開する。
 DuPontのSoronaとLenzingのTENCELの組み合わせにより、あらゆる構造や色、重さをカバーできる。また、スパンデックスを使わなくても伸縮性に優れているのが特徴であり、今回のコレクションには多くの伸縮素材が取り揃えられている。
 Soronaは、再生可能な植物由来成分を37%含む高性能ポリマー繊維。伸縮性のほかに、長時間の着用や熱、紫外線に強い点も特長である。
 TENCELは、環境にやさしい高品質な繊維と革新的な技術を誇るLenzingが展開する特殊繊維。環境にやさしい生産工程で作られ、生分解可能な素材である。
 SoronaとTENCELは、柔らかさ、手触りの良さ、カラーパフォーマンスの良さをもち、保湿調整ができるパルプ由来の素材として、互いに類似している。
 両社の代表的なバイオ繊維で展開される今回のコレクションは、今後サステナブルな繊維がより一般的になり、スポーツウェアや既製服、肌着、デニムなど、様々な用途でデザイナーに採用されると期待されている。たとえば、TENCEL ModalとSoronaの組み合わせにより、上質な柔らかさと肌触りの良さをもつ肌着が生産可能。TENCEL Lyocell、TENCEL Modal、Soronaを組み合わせれば、体を動かしても涼感とさらさらした着心地を保てるウェアができる。また、柔らかさや伸縮性、形状、色合いなど、用途に合わせて様々な既製服を作ることが可能である。
 DuPont Biomaterialsのglobal marketing directorであるRenee Henze氏は、Lenzingとのコレクションについて、サステナブルな繊維が今後、快適な着心地と、高性能であることと、環境に配慮されていることが全て揃っている素材として、多くのアパレルブランドに採用されることに期待を寄せている。
 LenzingのActive and Outerwear部門でGlobal Business Developmentのトップを務めるAndreas Guertler氏は、イノベーションと質が重要である特殊繊維ビジネスにおいて、サステナビリティは重要な役割を担っているとし、DuPontとのコレクションについては、顧客の期待以上に優れた次世代型の素材として、着心地や性能に満足してもらえると自信を見せた。