日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(中国) 2021年以降もPTA生産能力が拡大

2020年12月10日
日本化学繊維協会

合繊原料

2021年以降もPTA生産能力が拡大

 中国化繊信息網によると、中国のPTA生産能力は今後も拡大を続け、2021年中には年産1,600万㌧相当の新規生産能力の稼働が開始する予定である。中国のPTA生産能力の前年比伸び率は、2021年は前年比28%増、その後、2022年、2023年はそれぞれ7.8%増、8.2%増と引き続き拡大が予測されている。
 2021年に新たに稼働となるプラントは業界のトップ企業が中心であり、中国のPTA業界における生産能力の集中度は更に一層高まる見通しである。そのうち、逸盛、恒力、虹港石化は現在の設備を増設するが、福建百宏は、新設で、ポリエステル企業の川上遡及となる。PTAプラントの規模をみると、2021年の新規プラントの単位当たりの規模は年産267万㌧と大型プラントであり、年産60~100万㌧の中小プラントに比べ単位当たりのコストメリットは大きく上昇する。

中国のPTAプラントの新規稼働計画
                          (万㌧/年)

 業界関係者によると、2021年の中国国内のPTA生産量は5,010~5,060万㌧、2019年比150万㌧増、前年比3.1%増となる見通しであり、その伸び率、増加量ともにこれまでの伸びを下回る。
 一方で、2021年末の中国国内のPTA生産能力は年産7,309万㌧となる見通しであり、前年比28%も拡大する。この結果、供給の伸びは需要を大きく上回り、基本的にPTAは生産能力の過剰時代に入るという。
 新規プラントは、業界トップ企業のプラント又は大手ポリエステルメーカーの川上遡及であることから、規模、関連性、コストなど既存の中小プラントよりも優位性があるとみられる。そのため、今後立ち遅れた設備は市場から淘汰され撤退するとみられているが、このことが需給バランスに効果的に作用することもあるとみられる。