日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(サウジアラビア) INEOS、42.5万㌧のAN工場建設へ

2019年06月20日
日本化学繊維協会

サウジアラビア 合繊原料

INEOS、42.5万㌧のAN工場建設へ

 英石油化学の大手INEOSは、は6月3日、サウジアラビアの国営石油会社Saudi Aramcoと仏石油メジャーのTotalがサウジアラビア東部のJubailで共同開発中の石油化学コンプレックスに、新たに3工場を建設することで覚書(MOU)を締結した。総投資額は20億㌦、INEOSにとって中東初の工場となる。
 INEOSは同コンプレックスに年産42.5万㌧のアクリルニトリル(AN)プラントを建設する。同工場はINEOSの世界最先端の技術と触媒を導入する計画。2025年に稼働開始の予定であり、稼働開始すれば、中東初のAN工場となる。このほか、年産40万㌧規模のリニアアルファオレフィン(LAO)工場、ポリアルファオレフィン(PAO)工場も新設する。
 今回のプロジェクトは、INEOSにとって、ベルギーAntwerpの新プラントへの30億ユーロへの投資、英国への10億ポンドの投資、中国でのM&A、米国Gulf Coast工場、Alabama工場、Chocolate Bayou工場での生産能力拡大に続く、INEOSの成長戦略の一環であるという。
 INEOS Nitrilesは、今回のAN工場新設に関して、「アクリロニトリルの世界的な需要は、GDPを上回る勢いで拡大しており、ABS樹脂や炭素繊維などのエネルギー効率の高い材料の需要増に対応している。中東への投資に踏み切ったのは、マーケットリーダーとしての地位を固め、世界各国の顧客のニーズに対応するため」と述べている。
 INEOS Nitrilesは世界最大のANメーカーであり、北米2カ所(Texas州、Ohio州)、欧州2カ所(ドイツ、英国)に工場を展開している。