日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(オーストリア) Lenzing、淡水での生分解可能な認証を獲得

2019年09月11日
日本化学繊維協会

オーストリア 環境

Lenzing、淡水での生分解可能な認証を獲得

 オーストリアの大手セルロース繊維メーカーLenzing Groupは、このほど独立研究機関から、同社のレーヨン短繊維、モダル繊維、リヨセル繊維が、土壌や淡水中、海水中で生分解可能であることの認証を獲得した。
 認証したのは独立研究機関であるOrganic Waste Systems(OWS)である。セルロース繊維やポリエステル繊維の生分解性をテストするために、OWSでは、現行の国際基準ISO 14851などに基づいて淡水中で試験を行っている。試験期間中、Lenzingの木製由来のレーヨン繊維、綿、パルプは、淡水中では完全に生分解可能であることが証明された。
 Lenzing Groupは、使用後に生分解可能な繊維を製造するため、再生可能な原材料をベースとした、循環系ビジネスを行っている。『sCore TEN』戦略で、持続可能性に価値を置いている、と述べ、バリューチェーンに属しているサプライヤーや顧客、パートナーのビジネス拡大だけでなく、繊維・不織布産業全般の地位向上に貢献していく、と述べている。
 Lenzingによると、繊維産業・不織布産業が大きな課題としているのがごみ処理処分。現在の状況が続いていけば、2050年末にはプラスチックごみの数が魚類の数を上回るとの調査もある。この問題を無視することができなくなっている各国の立法機関は、廃棄物の量を制限することを目的としたプラスチック規制の立法に向けて動き出している。ヨーロッパの立法府は、プラスチック製品の環境への影響の低減に関する指令(Single-Use Plastics Directive)を発令、現在EU加盟国の国内法として制定されている。
 また、従来のウェットワイプや衛生用品の多くがプラスチックを使用しており、こうした指令が適用されるカテゴリーに分類されている。各国政府や環境NGOなどは、生分解可能なセルロース繊維を、プラスチック由来の合成繊維の代替品として使用するよう奨励している。