日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(中国) 国内供給増でPX輸入は大幅減へ

2019年09月20日
日本化学繊維協会

中国 合繊原料

国内供給増でPX輸入は大幅減へ

 中国紡織網によると、2019年以降、中国国内においてパラキシレン(PX)の新増設が相次いで立ち上がることで、供給は大幅に増加、これにより、2019年に入り、PX価格は下落しており、2019年だけでその下落幅は2,000㌦/㌧、下げ率は22%に達している。
● 2019年3月~2020年3月までに中国国内ででは約1,000万㌧のPX生産能力が新たに増加するとみられている。
● 2019年3月、恒力石化は大連で年産450万㌧のPX工場の稼働を開始した。
● 2019年7月、山東鴻潤石化の年産70万㌧のPX工場が試運行を開始した。
● 中国石化は、2019年第3四半期に海南省において、年産100万㌧のPX工場の稼働を開始させる予定である。
● 2019年末までに浙江石化は、舟山において、年産400万㌧のPX工場の稼働を開始させる予定である。
 現在の中国国内のPX企業は18社、総生産能力は年産1,843万㌧である。そのうち、川上事業を有する企業は16社、全体の生産能力の90%を占める。川下事業を有する企業は8社、全体の生産能力の55%を占める。一方で、川上事業も川下事業も持たない企業は2社のみでありこれは全体の生産能力の9%である。
 中国のPXの新増設の動きは主に民間企業がけん引しており、大型の石油/石化企業との共同計画によって、コスト競争力を備えている。国内PXプラントの91%は原料からの一体化プラントであり、ナフサを直接原料としている。
 中国は、世界最大のPX消費国であり、需要の約60%は輸入に依存、2010年以降の中国のポリエステル繊維産業の急速な成長を支えてきた。中国のPX輸入のうち、50%以上を韓国と日本が占める。
 しかし、新規増加生産能力により、中国のPX輸入量は今後半減する可能性もあると言われている。
 業界関係者によると、2019年年間のPX輸入量は過去最高となった2018年の約1,600万㌧から割減の1,100万㌧に減少する見通しであり、これが2020年には700万㌧、2021年には400万㌧まで減少するみとおしである。