日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(フランス) Kering、グループ全般にカーボンニュートラルを推進

2019年10月11日
日本化学繊維協会

フランス 環境

Kering、グループ全般にカーボンニュートラルを推進

 フランス大手ファッション企業集団のKeringは、グループ全般にわたり事業内、およびサプライチェーン内でカーボンニュートラルの達成を目指すと発表した。持続可能性に向けた長期的な取り組みの次の段階として、同社は、温室効果ガスの使用抑制や削減に加えて、グループ内の温室効果ガス(GHG)の年間排出量をオフセットしたい考えという。
 Keringの今回の取り組みは、2011年に制定された年間を通してGHGをオフセットしようとするアプローチの延長版である。
 同社は自社の事業運営や自社の原材料からのサプライチェーンにおいて発生したGHG排出量を2025年までに、2015年を基準値として50%削減する方針。その対策の中には、以下が含まれている。
〇「Kering Standards for Raw Materials and Manufacturing Processes(原材料と製造プロセスに関する基準)」を導入する。同基準は、ベストプラクティスと持続可能性に関する要件を定めており、全般的な削減目標の20%超に対応している。
〇グループの事業運営でのエネルギー効率を高め、2015年を基準値とした単位当たりのエネルギー使用に基づく炭素排出量を30%低減させる。
〇グループで再生エネルギーへの転換率を高め、7か国でエネルギー消費の100%、ヨーロッパの77%、グループ企業全体の67%を再生エネルギーで賄う。
〇重要な製造効率化・革新のためのプログラムを採用する。繊維工場向けに策定された「Clean by Design」プログラムがその一例で、年間12%のCO2削減を目指す。
〇関連企業と協力し、Fashion Pact(ファッション誓約)に基づいてファッション産業の脱炭素化に貢献する取り組みやソリューションを支援する。
 同社はサプライチェーン全般でフットプリントを通じて、抑制・削減する取り組みを優先的に継続する一方で、GHG年間排出量のオフセットにも取り組んでいる。2018年度は、最高クラスと認定されたREDD+プロジェクトを通して引き続きオフセット達成に向けて継続していくという。REDD+プロジェクトとは、重要な森林や生物多様性を保護し、地域の生活を支援していく活動。
 Keringは、長年にわたり生物多様性の保護を優先しており、2018年のオフセット量は世界各国の重要な森林
200万ヘクタール分に等しいという。森林は、炭素を吸収する働きを持つ。このため、森林を保護することが大気中の炭素の削減につながり、気候変動の緩和に貢献できる。