日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(中国) 中国の不織布産業の現状

2019年10月18日
日本化学繊維協会

中国 不織布

中国の不織布産業の現状

 中国紡織網によると、中国は世界最大の不織布生産国および消費国である。2018年の世界の不織布生産量は1,565万㌧と推定されるが、そのうち、中国の不織布生産は593万㌧、全体の約38%を占めている。中国の不織布生産量は、2014年(生産量:361万㌧)から2018年にかけて年率13.2%で成長している。
 中国の不織布生産を製法別にみると、スパンボンド不織布が最大である。中国産業用繊維品協会によると、2017年末のスパンボンド不織布の生産は287万㌧、年末の生産ラインは1,412本、そのうちPPスパンボンドは1,185本、PETスパンボンドは118本、複合ラインは109本、メルトブローラインは138本であった。2018年のスパンボンド不織布生産量は前年比5.4%増の302万㌧となった。2018年の新規増加スパンボンド生産ラインは65本、そのうち、複合生産ラインが約13%を占める。
 スパンボンド不織布のうち、素材から見ると、PPが最大の生産量であるが、成長率ではポリエステル(PET)がより高い伸びを示している。PETスパンボンドの高い成長は、①高強度、耐熱性、抗紫外線、寸法安定性、通気性がよい、耐腐蝕、防音、防虫などの特徴を備えること、②中国国内で建築分野、特に屋根の防水層の品質に対する要求が高まったことで、PETスパンボンド/ニードルパンチ不織布のフェルトがアスファルトと適合することで、需要を拡大してきたこと、③中国政府の環境対策強化から、空気フィルター、液体フィルター、化学品フィルターの需要が拡大しており、この分野でのPETスパンボンドの需要が拡大していることなどがある。
 また、今後数年、従来の石化原料に対して、生分解性不織布およびこれらの素材を混ぜた不織布の需要拡大が期待されている。これらには、PLA、PHA、PHBなどが含まれる。