日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(中国) 2020年 1 ~2月の化繊景況

2020年04月30日
日本化学繊維協会

中国 繊維景況

2020年 1 ~2月の化繊景況

 2020年1~2月の中国の化繊産業は、主要企業が春節休暇前から生産を停止して以降、新型コロナウイルスの流行から、正常な操業復帰が妨げられ、化繊生産、業況は影響を受けた。その結果、需要が減少、稼働率が下がり、在庫が増加、収益が悪化した。
 1~2月のアパレル・靴・帽子等小売額は前年同期比30.9%減、インターネット販売における衣類小売額は前年同期比18.1%減とともに大きく減少した。繊維業界の化繊に対する需要は縮小し、化繊の主要な川下製品の生産量は下表のとおりいずれも減少した。

 繊維品輸出は減少した。1~2月、中国の繊維品輸出額は前年同期比20%減の316億㌦となった。
 化繊生産は減少に転じた。1~2月の中国の化繊生産量は前年同期比13.6%減の727.23万㌧となった。素材別にみると、レーヨン短繊維は同33.71%減の44.83万㌧、ポリエステルは同11.92%減の558.89万㌧、ナイロンは同27.11%減の50.86万㌧、スパンデックスは同4.18%増の12.23万㌧であった。スパンデックス生産が増加したのは、マスク用の耳ゴム向けのスパンデックスの需要が増加していることも一因とみられる。
 化繊貿易量は輸出入とも減少した。1~2月の化繊輸入量は前年同期比17.20%減の11.45万㌧、輸出は、同12.33%減の63.88万㌧であった。
 投資は大幅に縮小した。1~2月化繊業界の固定資産投資額は前年同期比35.7%減となった。その減少率は前年同期より31.9ポイント下落した。コロナウイルス感染の蔓延の影響を受け、一部の建設中のプロジェクトが工事停止となったほか、新たな投資意欲は更に低迷する傾向にある。
 収益は大きく悪化した。1~2月、化繊業界の規模以上企業の売上は前年同期比28.39%減の835.84億元となった。利益総額は同74.78%減の3.97億元となった。素材別には、ポリエステル業界とナイロン業界は前年同期比132.01%減、15.64%減でとなった。化繊業界の赤字企業の割合は48.70%と前年同期より10.86ポイント拡大した。赤字企業の赤字額は前年同期比39.49%増であった。