日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(E U) 65のNGO、「影の繊維産業包括戦略」を発表

2020年05月11日
日本化学繊維協会

 欧州委員会は3月11日、「欧州グリーンディール政策」を推し進める「サーキュラーエコノミーアクションプラン」を発表。その中で「繊維産業の新たな包括的戦略」を策定することを明らかにしている。
 この策定に向けて、65のNGOが共同で、非公式な「shadow strategy(影の戦略)」を4月23日に発表した。ポスト・コロナを見据え、時代遅れとなった世界の繊維産業のビジネスモデルを立て直す、大胆かつ包括的な戦略となっており、欧州委員会や欧州議会の指針にして欲しいとしている。
 関係者は、繊維産業は従来より、人権や労働者の権利、環境などで世界的に課題を有する産業であり、さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響で、数百万の従業員および家族が危機に陥っている。これを機にEUは率先してビジネスモデルの転換を図るべきだと主張している。影の戦略の主な内容は以下の通り。
・ 企業は、EUのデュー・ディリジェンス規則を遵守することで、自社のみならず、サプライチェーン全体の活動に責任を負う。
・ 環境に関して、製造時の責任、製品廃棄後の法的・金銭的責任、透明性の改善など規制を強化する。
・ ブランド企業や小売企業は、契約遵守を徹底するほか、不正な返品慣行、従業員への給与未払い、
 大量の売れ残り製品の廃棄を撲滅する。
・ 製造国におけるサステナビリティ向上のためのガバナンス改革や規制執行体制の強化を図る。
・ 通商政策を通じて、繊維産業におけるサステナブルな製造を推進し、EUのマーケットパワーを発揮する。
65のNGOには、フェアトレード、人権・労働者保護、環境保護団体などが含まれている。