日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

第695 回 本委員会の主要議題と概要

2020年07月01日
日本化学繊維協会

<プレスリリース>

2020年7月1日
第695回 本委員会の主要議題と概要

日本化学繊維協会では、本日11時より第695回 本委員会を開催しました。
主要議題およびその概要は以下の通りです。

1. 正副会長の交代

2019年度の鈴木 会長、伊藤 副会長が退任し、2020年度に日覺(にっかく) 会長(東レ株式会社 代表取締役社長 社長執行役員)、小堀(こぼり) 副会長(旭化成株式会社 代表取締役社長兼社長執行役員)が選任されました。また、専任副会長には富(とみ)𠮷(よし) 賢一(けんいち) 理事長が選任されました。

任期は2021年6月30日までの1年間です。

2. 欧州の環境規制動向

2019年度の調査事業として、欧州を中心とした環境規制の方向性について調査を実施、その概要を取りまとめました。
欧州では、2010年代よりプラスチックへの規制が強化されてきましたが、2020年3月に公表された循環経済行動計画(サーキュラーエコノミーアクションプラン)では、その対象として繊維産業が取り上げられたこともあり、今後数年以内に欧州では、繊維産業への各種の規制が本格化していく見通しです。欧州の環境政策は、将来的にアジア、世界の環境政策にも波及する可能性があり、注視が必要と考えています。

3. 2019年度「化学繊維ミル消費量の調査」結果

2019年度「化学繊維ミル消費量調査」結果について、以下の通り、報告がありました。
2019年度の化学繊維ミル消費は、前年度比6.7%減の88.9万㌧、2012年以来、7年ぶりの減少となりました。うち、国産品は7.6%減の43.9万㌧、輸入品は5.8%減の45.0万㌧、国産品、輸入品とも減少しました。輸入品は7年ぶりに減少、国産品は9年連続の減少となりました。輸入品比率は、前年度比1ポイント上昇の51%となりました。

4. 「2019年の繊維貿易動向」について

「2019年の繊維貿易動向」について報告がありました。2019年の世界の繊維品貿易は前年比1%減の約8,000億㌦と推定されます。中国、インドが鈍化する一方、ベトナム、バングラデシュ等の低コスト国の輸出が好調に推移しています。2019年後半以降、米中貿易摩擦の影響などがみられたほか、2020年にはいると世界的な新型コロナウイルスの影響もあり、世界の繊維貿易は縮小しているとみられます。

5. 2020年度 日本化学繊維協会活動

<本件についての問い合わせ先>
担当:⽇本化学繊維協会 技術グループ 兼 業務調査グループ 川名 (03-3241-2312

以上

 

2020年度 日本化学繊維協会活動について

1.環境認識と基本方針

日本化学繊維協会は、20177月に策定した「中期計画2020」に沿って、重点事業と位置づけた「標準化推進」「情報発信」「製品安全・環境への取り組み」を中心に様々な取り組みを進めてきた。中期計画の最終年度にあたる本年度も、協会ではこれら三つの重点事業を中心とした活動を推進していく。

その一方、近年、環境問題・サステナビリティに関する社会的要請が高まり、特に欧州で先駆的な政策や取り組みが積極的に打ち出されつつある中、アジアを中心とする世界の化繊産業が連携しながら、自らの社会的責任を果たし持続可能な成長を目指すことが、以前にも増して重要な課題となっている。

また、新型コロナウイルスの世界的流行に端を発する社会の構造変化と、化繊産業への影響にも十分注視していく必要がある。

今年度は、これらの新たな課題にも柔軟に対処していくとともに、「中期計画2020」期間中に生じた社会環境の変化を踏まえ、同計画終了後の協会活動の方向性についての検討を行う。

2.主な活動内容

(1)第13回アジア化繊産業会議(日本)

アジアの主要9ヶ国・地域の化繊業界団体が一堂に会するアジア化繊産業会議を23年ぶりのホスト国として日本で開催する。加盟国・地域の関心が高いサステナビリティを主テーマに化繊産業の課題と対応について広く意見交換を行うとともに、協調関係の強化を図る。

(2)サステナビリティへの取り組み

・サステナビリティに関する直近の各国の政策や社会の動向を踏まえ、化繊業界および協会としての課題を包括的に整理する。
・リサイクルやバイオマス由来繊維等の新技術・製品の普及等、持続可能な社会の実現に貢献する活動を推進する。
・海洋プラスチック問題や環境規制をはじめとする諸課題に対し、国内外の関係機関と協業しながら適切に対応する。
・アジア化繊産業会議での議論を通じて、サステナビリティに関するアジアの化繊産業の課題を整理し、共通認識を形成する。

(3)標準化推進事業

・日本の高機能・高性能繊維の競争力強化に向けて、経済産業省が推進する標準化戦略と連携し、新規標準の策定、策定した標準の普及・広報、既存規格の定期見直しなどの活動を継続する。
・アジア化繊産業連盟(ACFIF)標準化作業委員会の共同事務局として、ワークショップの開催等を通じて、アジア化繊産業全体の協調体制構築と標準化能力の向上に寄与する。

(4)情報発信事業

・エコプロへの出展継続等により、サステナビリティ・SDGsに対する化学繊維の貢献を幅広く発信する。
・高機能・高性能繊維が果たす役割の認知度向上に向けて、CEATEC等の他業界の展示会やセミナーへの参加を検討する。
・WEBサイトおよびSNSのさらなる活用を検討し、より幅広い層に向けた情報発信を目指す。

(5)「中期計画2020」終了後の協会の方向性の策定

・日本の化繊産業を取り巻く環境の変化を踏まえて、協会が対応するべき課題を見定めて、次年度以降の協会活動の方向性を検討する。

 3.主なスケジュール

 

2020年

7月

1日

総会、本委員会(東京)

 

10月

30日

本委員会(東京)

2021年

1月

13日

本委員会(東京)

 

4月

15日

本委員会(大阪)

 

4月

22-23日

13回アジア化繊産業会議(東京)

以上