日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(フランス) Sympatex、中古作業服をリサイクルへ

2020年09月30日
日本化学繊維協会

環境

Sympatex、中古作業服をリサイクルへ

 このほど、ドイツのSympatexのフランス子会社Sympatex Technologiesは、環境負荷の低減を目的に、使用済みのポリエステル製作業服についてのケミカルリサイクル事業を進めることを明らかにした。
 同社によると、2030年までに、2011年以来原料としてきたPETボトルからのリサイクルポリエステルではなく、使用済みのポリエステル製作業服100%を原料に使用したリサイクル繊維の製造を目指す。同社は既に、ドイツおよび欧州のさまざまなパートナー企業とテストを実施、Wear 2 wearプロジェクトにおいて使用済み衣類から完全にリサイクルされ、かつ使用後にリサイクルも可能なジャケットを開発している。
 Sympatexは、2030年までに同計画を進めるにあたり、FRIVEP計画(Fill of Reuse and Industrial Recycling for Professional Apparel:業務用衣料品のリサイクルのためのリユースおよび工業リサイクルの取り組みに関する官民の業界横断型プロジェクト)の関係者、フランス国鉄、フランス郵政公社、フランスガス公社、CETI(欧州先端繊維研究センター)、フランス環境エネルギー管理庁との協力を進めていくという。
 また、同社は英国のスタートアップ企業であるWorn Again Technologiesとの協力を模索している。同社は英国にパイロットR&D設備を立ち上げ、使用済みポリエステル製品から、リサイクルチップを製造している。同社は既にH&M、Keringなどともケミカルリサイクル事業で提携している。
 Sympatexは、今回の背景として、フランスでは廃棄物処理と循環経済に関する規制が近年厳格になっていること、とりわけ、昨年6月の法律により、2021年末または2023年末までに、繊維製品を含む食品以外の製品は、廃棄物処理できず、寄付またはリサイクルしなければならない。さらに、拡大生産者責任(EPR)によって、生産者が持続可能な製品を設計する必要があるなど、環境配慮デザインが求められる状況になるため、アパレル・ファッション業界からの需要が拡大することを挙げている。