日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(中国) 恒力石化、PTAに100億元超の投資

2020年10月20日
日本化学繊維協会

合繊原料

恒力石化、PTAに100億元超の投資

 9月30日、大手PTAメーカーの恒力石化は、川上の生産能力の規模優位性を一層固めるため、また、ポリエステル全産業チェーンの総合的な競争力を増強し、収益力を高めるため、同社傘下の恒力石化(恵州)有限公司が、114.95億元を投資して、2ライン×年産250万㌧のPTAプロジェクトを開始すると発表した。114.95億元の投資のうち、建設投資は99億元(そのうち、1.2億㌦は外貨)である。そのうと、自社資金で31.8億元を賄い、残りは銀行の融資となる。
 このプロジェクトは2021年末に完成し、稼働開始となる予定。主にPTAメインプラント2基、ばら荷埠頭、汚水処理場、燃料ガスボイラー、循環水ステーション、貯蔵運輸区、総合動力ステーション、中水回収利用、メタノール水素製造、水素ガス回収システム、脱塩水ステーション、消防水ステーション、製品倉庫等が建設される。
 同プロジェクトでは、業界をリードする緑色(環境対応)、スマート化のPTA生産工程技術が採用されており、これは、省エネで環境に配慮され、エネルギー消費が低く、安全で安定した運行の信頼性が高いという特徴があるという。
 恒力石化は、中国最大手のPTAメーカーであり、現在の生産能力は合計年産1,160万㌧、中国の合繊原料業界で唯一の千万トン級以上の生産能力を有する企業である。このプロジェクトが完成すると、同社のPTA生産能力は1,660万㌧/年になる。公告によると、予定生産能力に達すると、年間平均売上高は212.5億元が見込まれる。
 なお、このプロジェクトは、中国重点発展の七大石化産業基地の一つであり、石油精製化学工業一体化規模が全国一位の恵州大亜湾石化園区(広東省)に建設される、完成すると、恵州大亜湾石化園区における「兆級石化エネルギー新材料産業集群」の建設に重要な意義を持つ。