日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(米国) 2020年の繊維貿易、大幅に縮小

2021年03月01日
日本化学繊維協会

繊維貿易

2020年の繊維貿易、大幅に縮小

 米国商務省によると、2020年の米国の繊維製品貿易は、輸出は前年比15.6%減の193億㌦、輸入は同19.3%減の896億㌦と、新型コロナウイルスに伴う経済活動の縮小から、輸出入とも2桁の大幅減となった。貿易バランスは703億㌦の赤字(前年は884億㌦の赤字)となり、前年からは赤字幅は縮小した。
 段階別に輸出入をみると、輸出は、紡織品は前年比14.3%減の145億㌦、衣類は同19.3%減の49億㌦。一方、輸入は、紡織品は同6.6%減の255億㌦、衣類は同23.5%減の641億㌦となった。

2020年の米国の繊維製品貿易
                                                                                                            (100万㌦、%)

 繊維製品輸入を相手別にみると、最大の仕出地は中国であり、その輸入は前年比30.7%減の253億㌦となった。繊維製品輸入全体に占める中国のシェアは28.2%と前年と比べ4.6ポイント下落した。2018年(36.6%)と比較すると8.4ポイント下落している。2020年は米中貿易摩擦による追加関税の賦課に新型コロナウイルスによる米国の内需不振が追い打ちをかける形となった。
 第2位はベトナムであり、前年比7.2%減の134億㌦となった。ベトナムのシェアは14.9%と前年に比べ1.9ポイント上昇した。ただし、米財務省は2020年12月にベトナムを為替操作国に認定しており、今後輸出環境の悪化も懸念されている。
 第3位はインドで前年比15.3%減の68億㌦、第4位はバングラデシュで同11.4%減の54億㌦、第5位はインドネシアで同19.1%減の38億㌦と上位5ヵ国の順位は前年と変わっていない。

米国の相手別繊維製品輸入
                             (100万㌦、%)