日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(欧州) EURATEX、SUP規制からビスコース繊維除外の要請

2021年03月31日
日本化学繊維協会

環境

EURATEX、SUP規制からビスコース繊維除外の要請

 3月17日、欧州繊維産業連盟(EURATEX)は、欧州委員会に対してEU加盟国のSingle Use Plastic (SUP)規制(使い捨てプラスチックに対する流通規制)の対象からビスコース繊維を除外するように要請した。SUPのガイドラインが最終決定されるにあたり、EURATEXは、「化学的に改変されていない」という概念を維持し、ビスコースをプラスチックと表示する解釈を取り入れないよう求めている。
 背景として、欧州業界はバイオースのリサイクル材料を促進する欧州業界の取組に対して矛盾しているとの意見がEU加盟国からあがっているためである。
 ビスコース繊維はセルロース(例えば、木材パルプ)由来で、製造工程中に化学変換が行われるためプラスチックと同義であるが、一般的なプラスチック製品とビスコース繊維は、特に生分解性と製品の特徴に関して異なる性質を持っている。繊維・衣料品部門の企業は、過去数十年間、消費財だけでなく医療用途にも、ビスコース繊維や再生セルロースフィルムに投資している。天然資源の搾取を防ぐために、欧州業界の大半は、持続可能な森林の利用と保護を図るため適正に管理された森林から産出した木材など対する認証マークである「FSC」や「PEFC」を取得した原料を調達しているとしている。
 SUP規制の決定により、生分解性のビスコース繊維はプラスチックのラベルを付けるかどうかが定義される。これによって多くの消費者の選択に影響を与えるため、EURATEXは、欧州グリーンディールの目的に向けた業界の取組みを支援するよう求めている。