繊維景況
ITMF、紡績関連の統計を発表
このほど、国際紡織品製造者連盟(ITMF:International Textile Manufacturer Federation)は、世界各国の繊維生産国における短繊維紡績の錘数や原材料の消費動向に関する統計調査(International Textile Industry Statistics:ITIS)を発表した。
今回の調査では、2019年に短繊維紡機やオープンエンドローターの設置台数、出荷が全世界で落ち込んだことが明らかとなった。紡績設置錘数は、2018年の2.3億錘から2019年には2.23億錘に減少した。また、オープンエンド紡機の設置台数は2018年の820万台から2019年には740万台に減少した。一方で、エアジェット式の紡機が、アジアやトルコを中心に世界的に拡大している。
地域別にみると、とりわけ、中国では老朽設備の淘汰を進めている。
織機統計をみると、中長期的には、シャトル織機は、シャトルレス織機に代替されつつあるが、シャトルレス織機の設置台数もここに来て減速気味であり、2019年の設置台数は、前年比1%増の170万台にとどまった。
原料消費でみると、短繊維関連の原料消費全体では2019年に低迷したにも関わらず、セルロース短繊維の消費量は前年比9%増の540万㌧となった。合繊短繊維の消費は同4%減の1,420万㌧、綿花の消費量は、横ばいの2,600万㌧であった。