日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(韓国) SKGCとLoop、ケミカルリサイクルで提携

2021年07月09日
日本化学繊維協会

環境

SKGCとLoop、ケミカルリサイクルで提携

 6月23日、韓国の大手財閥SKグループ傘下の化学メーカーSK Global Chemical Co.Ltd. (SKGC)は、カナダのケミカルリサイクル技術を持つLoop Industriesに、Loopの株式10%を買い取る形で5650万ドルを投資し戦略的パートナーシップを締結すると発表した。
 Loop Industriesは、使用済みPETボトルや使用済みポリエステル繊維製品などを低温で化学的に分解して、バージンポリエステルと同等の原料状態に戻すケミカルリサイクル技術を有している。このプロセスを用いれば、従来困難であった、染料、添加物、その他の不純物などの物質を除去しリサイクルすることや、着色されたプラスチック/繊維などのリサイクルなども可能となる。
 両社は2022年に合弁会社を設立する。合弁会社の覚書では、SKGCが51%、Loopが49%を出資し、Loopは、自社技術が採用される工場からの収益の割合に応じたロイヤルティを毎年受け取ることが記されている。今回の投資を通じて、両社は、Loopの技術をアジア地域内で独占的に商業化学する権利を持つことになる。2023年内に韓国内にリサイクル工場(年間8.4万㌧の処理能力)を建設する計画であり、その後2030年までに韓国をはじめ、アジア地域内の4カ所にリサイクル工場を建設(合計40万㌧の処理能力)することを目標としている。完成すれば63.2万㌧のCO2排出減につながる。SKグループは、「今回の提携は、環境政策を強化する国が増え、グローバル企業の持続可能な素材への需要も高まっている中、高品質なリサイクルPET市場が急速に拡大していることがある」と明らかにした。