日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(中国) 儀征化繊のPTA工場が着工へ

2021年08月11日
日本化学繊維協会

合繊原料

儀征化繊のPTA工場が着工へ

 7月22日、中国石化(SINOPEC)傘下の大手ポリエステルメーカー儀征化繊が進める年産300万㌧のPTA工場が着工となった。このプロジェクトの投資総額は50億元を超える。
 儀征化繊は、「高品質なPTAは儀征化繊のミドル、ハイエンド合成繊維事業を強化し、拡大するのを支える重要な役割がある。」と述べている。
 現在、儀征化繊は2つのPTAプラントを有しており、合計生産能力は年産100万㌧。今回着工した年産300万㌧のPTA工場が完成すると、同社のポリエステル原料の調達能力が強化されるとともに、既存のPTA工場に対して「騰籠換鳥」(籠を空けて、中の鳥を入れ替える経済政策。つまり、遅れた産業・設備を、市場メカニズムによる淘汰を通じて産業構造の高度化を図るというもの)を実施、省エネ、環境配慮、先進的な工程による、PTA事業の緑色・低炭素化を実現するという。
 2020年10月、中国石化(SINOPEC)理事会で、同社のPTAプロジェクトのフィジビリティスタディが報告・審議され承認された。そして、同年11月、揚州市工業情報化局にこのプロジェクトが報告された。このプロジェクトは、揚州市委員会、市政府からも高い関心を持たれ、重視されたプロジェクトとなった。そのため、儀征化繊は、わずか1日のうちに、住居都市農村建設局、市場監督管理局、人力資源と社会保障局、生態環境局の4つの政府部門から判を押してもらい、関連審査の進捗が早まったという。
 このプロジェクトは、SINOPECとしても、初の年産300万㌧以上のPTAプラントであり、SINOPECが芳香族チェーンを強化し、ハイエンド新材料を開拓する重要であることから、SINOPEC重点プロジェクトに組み入れられている。また、2021年江蘇省重大計画リストにも入っている。