日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(中国) 1~7月の産業用繊維品業界の景況分析

2021年09月30日
日本化学繊維協会

繊維景況

1~7月の産業用繊維品業界の景況分析

 2021年の中国の産業用繊維品業界の主要経済指標は、世界の防疫物資需要の減速、②2020年の急速な拡大の反動から新型コロナパンデミック前の水準に近付きつつある。
 2021年1~7月の中国産業用繊維品業界の規模以上企業の工業増加値は前年同期比20.1%減であった。但し、2019年同期と比べると13.1%増となっている。
 1~7月の規模以上企業の不織布生産は前年同期比0.3%増の348.9万㌧とほぼ横ばいで伸び率は鈍化している。同期間のタイヤコード生産は同37.0%増の48.0万㌧となった。
 1~7月の規模以上企業の売上高は前年同期比10.7%減の1,684.1億元、利益は同60.9%減の93.8億元の減収減益となった。利益率は5.6%と前年同期に比べ7.2ポイント下落した。同期間の業績をセクター別にみると、不織布企業の売上と利益はそれぞれ同21.0%減、同72.9%減、利益率は5.7%と前年同期に比べ10.9ポイント下落した。縄、ロープ、ケーブルの規模以上企業の売上と利益はそれぞれ同16.3%増、同9.8%増、利益率は4.5%と前年同期に比べ0.3ポイント下回った。ベルト、タイヤコードの規模以上企業の売上と利益はそれぞれ同25.4%増、同164.8%増、利益率は5.7%と前年同期に比べ3.0ポイント上回った。テント、帆布の規模以上企業の売上と利益はそれぞれ同33.6%増、同30.2%増、利益率は5.8%と前年同期に比べ0.2ポイント下落した。医療衛生、フィルター、土木工業用繊維品などその他の産業用繊維品の規模以上企業の売上と利益はそれぞれ同20.0%減、同61.2%減、利益率は5.4%、前年同期に比べ5.8ポイント下落となった。
 1~7月の不織布、特殊糸、ロープ、網・ケーブル及びその製品(税関分類第56章)の輸出額は前年同期比19.9%増の48.8億㌦となった。そのうち、不織布輸出額は同13.7%増の27.3億㌦、輸出量は同25.5%増の83.6万㌧であった。;工業用繊維品税関分類第59章)の輸出額は前年同期比41.3%増の50.5億㌦であった。その他、化繊不織布製防護服の輸出額は同61.1%減の17.0億㌦。マスクをふくむその他の繊維製品の輸出額は同80.0%減の78.9億㌦であった。
 現在、世界の新型コロナウイルス状況は予断を許さず、中国国内でも局地的に発生している。経済回復は不安定であり、構造的な労働力不足、原料価格・輸送費の上昇は、企業の経営に圧力を与えている。こうしたことから、2021年の産業用繊維品業界の経済指標は依然として調整に直面している状況である。