日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(オーストリア) Lenzing、持続可能性に関する認証取得

2021年10月20日
日本化学繊維協会

環境

Lenzing、持続可能性に関する認証取得

 大手セルロース繊維メーカーのLenzing Groupは、このほど、金融サービス・格付会社であるMSCIから、同社のESG(環境、社会、ガバナンス)格付けをAからAAに引き上げたことを明らかにした。この結果、Lenzingは、世界の特殊繊維業界の上位6%企業に入ることとなった。
 Lenzingは、「これからの繊維産業は、生態系や社会に対する要求を充足していくためにも、発展を続けなければならない。Lenzingは企業戦略に、持続可能性を組み込んでおり、この姿勢はビジネスの成功にも貢献している。将来に向けて他社のロールモデルとなるべく活動を続ける方針である。」と述べている。
 Lenzingによると、今回MSCIがESG格付けを引き上げた結果、Lenzingグループの支払利息は減額される見込み。2019年11月、Lenzingは、5億ユーロの担保付きローンを借り入れたが、このローンは、資金使途が持続可能性に関するプロジェクトなどに限定されているローンであり、ローンの金利は、MSCIの格付けを元に設定されている。Lenzingグループは、減額された利息を全額、同グループが支援するプロジェクトに寄付する方針を明らかにした。
 MSCIは、今回、格付けを引き上げた理由として、Lenzingの気候変動に対する取り組み内容や循環経済の普及に関するアプローチ、ガバナンス体制が優れていることなどを挙げている。
 Lenzingは、科学に基づいた目的を設定し、気候変動がもたらす課題に積極的に対処しており、2019年には、2030年までに製品1トンごとの温室効果ガスを半減する目標を明らかにし、長期的には、2050年までにカーボンニュートラルを目指している。ブラジルとタイで進めていた2大プロジェクトが完了したことで、このプロセスにも大きく弾みがつき、アジア(中国、インドネシア)の製造工場でも脱炭素化の目標達成に向けて歩みは順調であるという。
 Lenzingグループは、このほか、2021年に企業の社会的責任(CSR)活動についてEcoVadis認定を受けている。同社はプラチナム認証を授与されており、これは、環境や公正な労働環境、人権の他、倫理的・持続可能な調達において世界の上位1%に属する企業として認められたことになる。