日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(中国) 2021年第4四半期紡織業界の景況指数は上昇

2022年02月10日
日本化学繊維協会

繊維景況

2021年第4四半期紡織業界の景況指数は上昇

 2022年1月、中国紡織工業連合会(CNTAC)は、繊維企業の経営者や管理者に対して経営現状調査を実施した。この有効データを整理分析したところ、2021年第4四半期の繊維企業の景気指数は前期と比べて上昇したことが明らかとなった。
 中国紡織業界の2021年第4四半期の景気指数は62.3と第3四半期に比べ3.6ポイント上昇した。主な要因は、中国国内のコロナ感染対策が有効に機能したこと、国慶節休暇・「双十一(11月のネット通販最大の販促イベント)」、年末の販売促進などによって国内の消費市場が回復したことがある。これは、国家統計局の製造業購買担当者指数の推移と一致している。
 2021年第4四半期の繊維業界の収益力は前期と比べ上昇した。調査によると、46.6%の企業は、第4四半期の収益は第3四半期より増加したと答えており、この割合は前期の調査結果と比べて7.7ポイント上昇している。一方で、第4四半期の収益が第3四半期と比べ減少した企業の割合は22.1%と前期の調査結果と比べて7.1ポイント減少している。
 2021年第4四半期の繊維業界の生産指数は69.1と前期比6.9ポイント上昇している。国家統計局によると、2021年1~12月の中国の繊維業界の工業増加値は前年比4.4%増、1~9月の伸びと比べ1.9ポイント減少している。2021年の中国の主要繊維品の生産は、化学繊維は前年比9.1%増、糸は同8.4%増、生地は同7.5%増、衣類は同8.4%増となっている。
 2021年第4四半期の繊維業界の新規受注指数は66.8と前期比5.3ポイント上昇した。これは、中国経済が安定回復し、消費市場が回復していること、輸出需要が回復していることが要因である。
国家統計局によると、2021年のアパレル・靴・帽子・ニット繊維品商品小売額は前年比12.7%増の1兆3842億元、インターネットによる衣類小売額は前年比8.3%増であった。
 2021年第4四半期の繊維業界の投資は比較的安定した。調査によると、46.9%の企業が、2022年の投資は安定を維持すると答えた。35.0%の企業が2022年の投資は増加すると答えた。
 国家統計局によると、2021年の、紡織業、衣類業、化学繊維業の固定資産投資は、それぞれ前年比11.9%増、4.1%増、31.8%増であった。化学繊維業の固定資産投資の成長速度は7月以降製造業平均を上回り、年間の成長は製造業を18.3ポイント上回った。
 調査によると、固定資産投資計画では、現在ある生産能力のアップグレード改造に投資を行うことが多かった。58.1%の企業は、現在ある生産能力の基礎の上でアップグレードを行うとしている。一方で28.8%の企業が依然として生産能力の新規建設を進めている。また、72.2%の企業が、市場見通しが投資に影響を及ぼす重要な要素であると回答し、65.3%の企業が、収益が投資に影響を及ぼす重要な要素であると回答している。
 全体的にみると、繊維企業は今後の業界景気に対して慎重な判断をしている。推計によると、2022年第1四半期の繊維業界景気指数は51.2と2021年第4四半期から11.1ポイント下落する見通し。これは、生産の減速、新規受注の減少、高値の原料価格などが要因として考えられている。