日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(チリ) Aquafil、Salmon、Atando Cabosとリサイクルで協力

2022年03月18日
日本化学繊維協会

環境

Aquafil、Salmon、Atando Cabosとリサイクルで協力

 イタリアの大手ナイロンメーカーAquafil S.p.A.は、このほど、チリで鮭の販売などを管轄する団体Salmon de Chileとパタゴニア地区の生態系保存に向けてプラスチックリサイクルを手掛けているAtando Cabos S.p.Aとの間でパートナーシップ契約を締結した。
 この契約の目的は、養殖用の漁網の回収とリサイクルを進めること。世界自然保護基金(WWF)によると、鮭の養殖は世界で最も急速に成長している食料生産方法の一つ。現在、養殖による鮭は市場の70%を占めており、チリだけで世界で養殖される鮭の約3分の1を供給している。
チリの政府と漁業産業界は、鮭の養殖において社会的責任を果たすための活動に取り組み始めており、Aquafilとのパートナーシップを活用して、養殖過程で使用される素材をできるかぎり多くリサイクルし、廃棄物を削減したい考え。今回のパートナーシップ契約は、4年計画で進められ、廃棄網の回収やリサイクル成果の測定と報告などを予定している。
 Aquafilは、「同社は持続可能性と循環性を有する経済を目指している。私たちは、さまざまなナイロンを回収・リサイクルし、リサイクルナイロンブランドであるECONYLに活用している。ECONYLは、水着やバッグ、靴、衣服、カーペット、家具、自動車部品などに使用されているが、今回のパートナーシップは、こうした能力をさらに強化するものだ。このため、当社はチリ事業に1,000万ユーロを投じ、30人ほどを新規雇用する計画。チリでは、廃棄される漁網、漁獲用具からナイロン6を回収・リサイクルする。この事業を南米全土に広げていきたい」と述べている。
 Aquafilは、すでにノルウェーでは、漁網や農業用網を回収・リサイクルする大手メーカーNofirと協力して、こうした事業を推進している。Aquafilはこの経験により培ったベストプラクティスを、今回のチリでのパートナーシップに活用したい考え。
 また、米国では、Aquafilは、2020年12月、Planet Recyclingを買収(現Aquafil Carpet Collection)、Arizona州とCalifornia州で使用済みカーペットやラグのリサイクル事業を行っている。