日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(タイ) IVL、衛材向けのサステナブルな繊維の展開を拡大

2022年03月30日
日本化学繊維協会

環境

IVL、衛材向けのサステナブルな繊維の展開を拡大

 タイの大手PETメーカーIndorama Ventures Public Co. Ltd. (IVL)が、この度、米国マイアミで開催中のIDEA Showにて、同社のHygiene Fibers Groupでのサステナビリティへの取り組み強化として、環境配慮型の商品を拡大することを発表した。
 IVLは、循環経済への転換、カーボンニュートラルな繊維の生産、バイオトランスフォーメーション技術の開発等、サステナビリティへの取り組みを進めているほか、リサイクルのできない製品を再利用するためのソリューションを提供している。また、IVLの傘下企業FiberVisionsでは、ライフサイクルアセスメントに基づき、原材料や生産プロセスの評価を行っているほか、環境ソリューション企業Striveとのパートナーシップにおいて、カーボンオフセット事業で炭素排出量の測定を行っている。
 この度のIDEA Showにて、同社の発表の中でも大きなトピックはバイオトランスフォーメーション。生分解かつ常温保存可能なポリプロピレン繊維およびその不織布が発表された。この繊維は、通常のリサイクル処理が可能であり、土壌や水中での分解後、有害物質やマイクロプラスチックが流出することはないという。
 IVLの衛材向け繊維は、「Auriga」、「Avgol」、「FiberVisions」、「Indorama Asia」、「Trevira」、「Wellman International」の6ブランドあり、これらはサステナブルな商品として、幅広く安定的に供給されている。この中には、リサイクル素材や生分解性素材のほか、ISCC(国際持続可能性カーボン認証)のマスバランス認証「ISCC PLUS認証」を受けた繊維・不織布、また、「Deja Carbon Neutral」のポリプロピレン繊維が含まれる。「Deja」は、IVLの繊維事業におけるリサイクルPETの代表的なブランドであり、顧客のサステナビリティに対する高い意識に応えて開発された。各ブランドの特徴は、以下の通り。
・Auriga、Indorama Asia、Trevira
…衛材用リサイクルPET繊維。Treviraでは、バイオ素材であるポリ乳酸(PLA)やポリブチレンサクシネート(PBS)素材を使用した商品が展開されている。
・Wellman International
…アイルランドのMullagh工場で生産している高品質なPETリサイク ル繊維。
・FiberVisons、Avgol…サステナブルなポリプロピレン繊維・不織布。Avgolは、IVLが生分解可能なポリプロピレンを商品開発の要と見ており、安全でサステナブルな衛材商品への使用を目指している。
 IVLのHygiene Fibers GroupのCEOであるShachar Rachim氏は、「我が社は、顧客の皆様とともに、商品に付加価値を与えるソリューションを見つけ、サステナビリティへの取り組みを行うことに注力している。我が社のバイオトランスフォーメーション技術の開発が進んでいることは非常に喜ばしい。バイオトランスフォーメーションは、完全に無害な成分となり、環境への悪影響がない。我々のDeja Carbon Neutralブランド等は、サステナブルな衛材商品に最適な素材だ」と述べた。