日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(中国) 化繊産業の高品質発展に関する指導意見を発出

2022年04月28日
日本化学繊維協会

繊維政策

化繊産業の高品質発展に関する指導意見を発出

 4 月21 日、中国工業情報化部、国家発展改革委員会は共同で「化学繊維産業の高品質発展に関する指導意見」を発出した。
この指導意見は、2025 年までの化繊産業の発展の方向性を示したものとなっており、バイオ繊維の拡大を含むグリーン繊維(環境対応型繊維)の発展などに焦点を当てているほか、炭素繊維、アラミド繊維等の高性能繊維の発展、省エネ、リサイクル推進、標準化推進、ブランド戦略などにも言及している。
 中国工業情報化部は、中国の化繊産業は繊維産業チェーンの発展と持続的なイノベーションを支え、国際的に競争優位産業であり、新材料産業の発展の重要な構成部分となっていると指摘している。そして、化繊産業の
高品質発展を推進し、より強力なイノベーション、高付加価値、安全で信頼できるサプライチェーンを形成することで、繊維産業全体の競争力を強化させ、高度化する消費需要を満足させることを目的としている。指導意見の概要は以下の通り。
①基本原則
・イノベーション主導。
・地域配置の最適化、国際協力の強化、デジタルトランスフォーメーションの推進、老朽生産能力の淘汰、企業の合併再編、リーディング企業の育成などを通じ産業競争力を強化する。
・グリーン発展、循環・低炭素製造システムの推進。グリーン工場、グリーン製品、グリーンサプライチェーンを進め、廃棄資源のリサイクルを強化し、グリーン繊維の生産を拡大し、クリーン、低炭素、循環のグリーン製造システムを構築する。
・良質製品の供給を増やし、高性能繊維の生産および用途開拓を進め、有名なブランドを育成し、戦略的な新興産業の発展を支える。
②主要な発展目標
・2025 年まで規模以上の化繊企業の工業増加値(GDP に相当)を年平均5%以上増加させる。
・イノベーションを強化するため、化繊業界の研究開発費の投入比率を2%以上とする。高性能繊維の研究開発能力は国家戦略需要を満たす。
・デジタルトランスフォーメーションを進め、企業経営管理のデジタル普及率は80%とする。主要工程のデジタル化率は80%とする。
・グリーン製造システムを改善し、グリーン繊維の生産割合を25%以上とする。バイオ化学繊維と生分解化学繊維の生産量を年平均20%以上で拡大する。
・廃棄資源の総合利用レベルを発展させ、業界の炭素排出を低下させる。競争力のあるリーディング企業を形成する。