日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(オーストリア) LenzingとRenewcell、原料調達契約を締結

2022年12月20日
日本化学繊維協会

環境

LenzingとRenewcell、原料調達契約を締結

 12月6日、大手セルロース繊維メーカーLenzing Groupとスウェーデンの繊維to繊維リサイクルを手掛けるRenewcellは、繊維産業のビジネスモデルを循環型に加速させていくため、複数年に及ぶ供給契約を締結した。契約により、RenewcellはLenzingに対し、リサイクル溶解パルプCirculoseを今後5年にわたり年間8~10万㌧供給する。Lenzingは、同パルプを使用してリサイクルセルロース繊維を生産する。Circuloseは、衣類の生産過程での屑やジーンズ等の使用済み繊維製品を溶解パルプにリサイクルした製品。
 Lenzingは、「繊維産業は、変化しなければならない。同社はスウェーデンの繊維to繊維メーカーであるRenewcellと契約を締結したが、これにより、リサイクル事業をさらに強化、繊維産業のビジネスモデルを迅速に循環型に転換していく。膨大な繊維廃棄物の発生は繊維産業が抱えている課題。同社はサステナビリティ推進企業として、これに対処するためにも循環経済への移行が不可欠である」と述べている。
Renewcellは、「Lenzingは、繊維産業の主要企業であり、時代を先取りした優れた技術とサステナビリティを先導する力で、目覚ましい実績をもっている。Renewcellは、ファッション産業の有力企業との協力を通して循環経済に即した素材強化を進める戦略を展開している。今回締結した提携事業は、この方向性に完全に合致している。Lenzingとファッションの循環性向上という共通の目標をもち、協力できることを嬉しく思う」と述べている。
Lenzingは、同社の企業戦略やサステナビリティの重点目標として、循環経済の真の先駆者となることを掲げており、2025年までにリヨセル繊維TENCELと特殊繊維LENZING ECOVEROなどの比率を最大50%まで引き上げることを掲げている。今回のRenewcellとの提携もこの一環。