日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(米国) Anellotech、混紡素材のリサイクルTex-TCatに注力へ

2023年01月10日
日本化学繊維協会

環境

Anellotech、混紡素材のリサイクルTex-TCatに注力へ

 バイオ化学ベンチャー企業Anellotechは、このほど、混紡素材を用いた使用済み繊維製品のリサイクルを可能にする新しい技術Tex-TCatの開発を進める方針を明らかにした。
 同社によると、綿100%やポリエステル100%の衣料品は従来の技術でリサイクルが可能であるが、同社の「Tex-TCat」を活用することで、これまでリサイクルが難しいとされていた複数の混紡繊維製品や機能性繊維のリサイクルが可能となるという。この技術は、混紡繊維製品を熱分解と触媒反応等により、ポリエステルやナイロン等の合成繊維を生産するための原料(BTX:ベンゼン、トルエン、キシレンなど)に直接転換することが可能となる初の技術である。同社によると、研究室段階での調査で明らかになったのは、Tex-TCatを用いると、綿、ポリエステル、ナイロン、スパンデックス、アクリル、ポリエチレンなど様々な繊維素材や混紡素材のリサイクルが可能であったという。
 ファッション産業では、毎年1,000億着にのぼる衣料品が生産され、年間9,200万㌧が焼却等処理されている。このTex-TCat技術を使用すれば、混紡繊維製品を化学品に転換することができ、効果的にクローズドループの繊維to繊維リサイクルという循環経済を達成するとともに、温室効果ガスを低減することが可能となる。Anellotechは、将来的には、年間最大20万㌧処理できる第1号プラントを運営、その後、最大100万㌧のプラントを建設する計画がある。
 同社は次の開発段階では、効率的な原料供給ができるよぅな最適化を進めること、研究室での調査強化と実証プラントにおいて、日産0.5㌧の処理能力を自動化できるよう体制を整えることを目指していくという。
 現在、同社はTex-TCat技術の開発と商用化を共同でスピード展開する前向きなパートナー企業を求めている。