合繊原料

韓国Lotte Chemical、PTA事業から撤退へ

　このほど、韓国大手化学メーカーLotte Chemical Corporationは、パキスタン子会社のLOTTE Chemical Pakistan Ltd（LCPL）の75％の株式を売却し、高純度テレフタル酸（PTA）事業から完全に撤退する方針を発表した。売却先は、パキスタンの大手化学会社Lucky Core Industries（LCI、旧ICI Pakistan）であり、売却額は1,924億ウォン。
　Lotte Chemicalは2009年に147億ウォンでLCPLを買収していた。今回の事業売却は、Lotte Chemicalの高付加価値特殊材料事業強化のための中期的な戦略の一環である。
　LCPLは、カラチのPort QasimにPTA工場を有しており、生産能力は年産50万㌧。
　PTA事業を買収したLucky Core Industriesは、Lahoreでポリエステルポリマー年産12.2万㌧、ポリエステル繊維同13.5万㌧の生産能力のほかソーダ灰工場などを有している。
　Lotte Chemicalは、PTA事業の売却資金を、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの高付加価値分野の製品開拓と、特殊化学品事業の拡大、環境素材事業への参入に使用するとしている。
　なお、Lotte Chemicalは2020年7月、韓国・蔚山にある年産60万㌧のPTAプラントの生産を停止、高純度イソフタル酸（PIA）の生産設備に転換している。