日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(オーストリア) Lenzing等4社、持続可能な繊維製品開発で協業

2023年02月28日
日本化学繊維協会

環境

Lenzing等4社、持続可能な繊維製品開発で協業

 セルロース繊維大手のLenzing Group、スウェーデンの大手パルプメーカーSodraは、ファッション産業の循環性の進展を目指し、パートナーシップを締結していたが、このほど、ポルトガルのファブリックメーカーRiopele3社共同で、スウェーデンのファッションブランドFilippa Kのため、リサイクル素材とサステナブル素材を使った新しいテキスタイルを開発した。Filippa Kは、今秋ファッション界に発表する2024年秋冬コレクションに同素材を採用したコレクションを発表する。
 このコレクションでは、アパレル製品として、世界で初めて「OnceMore」ブランドの最新パルプで作られたリヨセル繊維が採用された。Sodraは、綿・ポリエステルといった混紡繊維製品から高品質の溶解パルプOnceMoreを生産する技術を有しており、Lenzingは、使用済み綿製品をリサイクルしたパルプとバージンパルプを混合し、リサイクルリヨセルを生産する「Tencel x Refibra」技術を有する。今回の取り組みではLenzingのリヨセル繊維の原料としてOnceMoreを活用、そして、このリヨセル繊維をRiopeleFilippa Kの製品向けの生地として持続可能な方法で生産する。
 LenzingのCOOであるRobert van de Kerkhof氏は、「繊維廃棄物の課題に、1社だけで対応することは不可能であり、今回の提携のように、積極的に関係することで企業は前進し、構造的な変化を起こすことができる。これらの企業間連携は、自社のビジネスをより持続可能にし、繊維微子根雨をリニア(直線的)からサーキュラー(循環的)に転換する。」と述べている。
 Filippa Kは、「LenzingRefibra技術やRiopeleの革新的な糸・生地技術を活用した、OneceMore由来の新たな繊維素材を採用した初の企業になれたことは喜ばしい。繊維産業を持続可能な方法で発展させていくためにも、相互に協力しあうことは必要な一歩。当社の目標は、私たちと価値を共有し、それぞれの業界をリードしている企業と提携することだ」と述べている。
 LenzingSodraは、2021年以降、リサイクル繊維分野での提携を進めており、共同開発したパルプOnceMoreを原料としたリヨセル繊維の生産を進めている。OnceMoreの生産能力(処理能力)は、2025年までに年産2.5万㌧に拡大する計画もあるという。