日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(欧州) 欧州議会、持続可能な繊維製品に関する勧告が採決

2023年05月10日
日本化学繊維協会

環境

欧州議会、持続可能な繊維製品に関する勧告が採決

 4月27日、欧州議会・環境委員会は、持続可能な繊維製品の生産を促すための措置(勧告)を、賛成68票、反対0票、棄権1票で採択した。
 この勧告では、欧州委員会とEU加盟国に対して、科学的根拠に基づく野心的な目標を求めている。これまで安価で大量生産され、使用期間の短い「ファストファッション」に終止符を打ち、より耐久性が高く、再利用やリペア、リサイクルが容易で、リサイクルされた繊維製品を推進している。欧州議会では、まずファストファッションの定義を明確することから検討される見込み。本勧告は議会の本会議で夏前までに採択される見込み。
 この勧告に基づく規制が発効された場合、全ての繊維製品が、EU域内で販売することができるための要求事項として、以下を提言している。
・エコデザイン規則において、売れ残った繊維製品や返品された繊維製品の廃棄の禁止
・グリーンウォッシングの防止のための明確な規制の導入
・廃棄物枠組み指令において、繊維製品の回収、再利用、リサイクルに関する具体的な個別目標、および埋め立ての段階的廃止
・貿易協定を通じた公正で倫理的な貿易慣行の確保
・繊維屑(マイクロプラスチック)の排出制限
・繊維製品の素材から消費段階まで(ライフサイクル全体)の温室効果ガス排出量の削減と科学的根拠に基づく野心的な目標の設定
・生産工程におけるエネルギーと水の消費量の削減
・有害な化学物質の使用と排出の制限
・エコデザイン規制におけるデジタル製品パスポートの導入等での消費者への情報提供の強化
・人権、環境や動物愛護への配慮