日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(フィンランド) Woodspin、SPINNOVAの生産を本格的に開始

2023年06月09日
日本化学繊維協会

設備

Woodspin、SPINNOVAの生産を本格的に開始

 フィンランドのリサイクル繊維メーカーSpinnova Plcと、ブラジルのパルプメーカーSuzanoの合弁会社Woodspinが、この度、フィンランドのユバスキュラ工場で、木質由来の環境対応繊維「SPINNOVA」の商業生産を本格的に開始した。
 この第1工場は年産1,000㌧の予定だが、2024年以降に第2工場が完成する予定(海外速報No.1291)。Woodspinは、SPINNOVAの生産能力を、2033年までに年産100万㌧に拡大することを目標に掲げている。
 SuzanoのExecutive Director New BusinessであるChristian Orglmeister氏は、「世界の繊維・アパレル産業では、高品質でリサイクル可能な繊維が求められている。SPINNOVAは、Spinnovaの生分解性繊維と、Suzanoのユーカリパルプを使用して作られているサステナブルな繊維。ゼロ・エミッションでの生産により、コットン等よりも環境負荷が低い。また、エネルギー回収システムにより、使用する熱の再利用が可能。1kgの繊維生産に必要な二酸化炭素を2.4kg削減できる」とコメントしている。
 また、SpinnovaのCTO・共同設立者であるJuha Salmela氏は、「我が社の特許取得済み繊維は、有害な化学品を使用せずに生産することができ、マイクロプラスチック等のゴミも発生しない。従来のコットン生産と比べ、二酸化炭素排出は74%少なく、水使用量は99.5%少ない。SPINNOVAは、コットンのような手触りであることと、環境負荷が低いことが、adidasやMarimekko等の顧客のニーズに合っている」とコメントしている。