日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(インドネシア) 桐昆、新鳳鳴、精製~化学一体化プロジェクトを計画

2023年06月30日
日本化学繊維協会

合繊原料

桐昆、新鳳鳴、精製~化学一体化プロジェクトを計画

 6月27日、中国のPTA、ポリエステルメーカー大手の桐昆集団と新鳳鳴集団は、インドネシア北部に石油精製~化学の一体化統合プロジェクトを立ち上げる計画を発表した。
 本プロジェクトの総投資額は86.24億㌦、インドネシアの北カリマンタン州の北カリマンタン工業団地に建設、773ヘクタールの製油所プロジェクトと125ヘクタールの太陽光発電プロジェクトを含む合計898ヘクタールの立地を計画している。
 本プロジェクトでは、石油精製、芳香族ユニット、エチレンおよび川下事業、関連施設が含まれる。プロジェクトの設備規模は、石油精製が1,600万㌧/年、パラキシレン(PX)が520万㌧/年、エチレンが80万/年などである。全体の建設工期は4年を予定している。プロジェクトの設備・資材の多くは中国から輸入、中国からの設備購入総額は400億元を超えると試算されている。
 本プロジェクトは両社がそれぞれ香港に子会社を設立後、合弁で華滄国際を設立、上海青翃と共同出資する泰昆石化(印尼)が運営の主体となる。出資比率は、桐昆が51%、新鳳鳴が49%。プロジェクト完了後の年平均売上は104.4億㌦、平均利益は13.28億㌦を予定している。
 両社によると、現時点では、本プロジェクトは中国政府の正式な承認がされておらず、インドネシアでの建設条件が履行されない場合など、プロジェクトの遅延などリスクの可能性も示している。
 計画では、精製油と硫黄はインドネシア国内向けに年間467万㌧、PX、酢酸、ベンゼン、プロパンなどは中国国内市場向けで年間847万㌧が吸収され、ポリエチレン、EVA、ポリプロピレン等は中国、インドネシア、ASEAN 市場で吸収される計画。現在、桐昆集団と新鳳鳴集団は、広西チワン族自治区欽州で石油精製~化学品の一体化プロジェクトを進めており、本プロジェクトの一部製品が供給される予定である。
 桐昆集団と新鳳鳴集団は中国最大手のPTA、ポリエステルメーカー。2025年までに両社の年間生産能力はPTAが2,000万㌧、ポリエステル長繊維が2,500万㌧を超えるとの見通しがあり、川上原料のPX需要は1,300万㌧に達する見通し。しかし、中国国内では長年にわたりPX供給が不足、輸入依存度が高い状況にあり、こうした状況が改善されるとみられている。