日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(インド) Birla Cellulose、竹を原料としたセルロース繊維を開発

2023年09月20日
日本化学繊維協会

新商品

Birla Cellulose、竹を原料としたセルロース繊維を開発

 インドの大手財閥グループAditya Birla Groupのセルロース繊維事業を行うBirla Celluloseが、新商品「Birla Viscose EcoSoft(EcoSoft)」を発表した。
 EcoSoftは、竹材パルプから作られるセルロース繊維で、手触りの良さや軽量であることが特徴。EcoSoftを使用した生地には、高い保湿性や通気性がある。
 竹は、環境にやさしい素材として、繊維製品における使用が広まっている。一般的に、竹は人の手で栽培せずとも育ち、農薬や肥料が不要であるため、手間やコストがあまりかからない。また、成長が早く、中には4~6ヵ月で成熟する種類もあるため、環境に負荷をかけない伐採が可能である。
 EcoSoftに使用される竹は、FSC認証(森林の適正な管理や、労働者や住民の人権保証等が認められた材料や製品に付与される認証)を受けた森林で伐採されている。環境への配慮は、原材料だけでなく、生産工程にも反映されており、Birla Celluloseは、環境責任を果たせる方法や設備によって、高品質な商品を生産している。
 分子トレーサーが組み込まれていることも、EcoSoftの特徴である。分子トレーサーにより、メーカーは、サプライチェーン内での取引を追跡できるようになっている。
 Birla Celluloseは、今年5月、繊維原料から衣類に至るまでのサプライチェーンにおいて、持続可能な繊維の使用を追跡・検証するデジタルトレーサビリティプラットフォームTextileGenesisとの連携を発表しており(海外速報No.1299)、トランスペアレンシー(透明性)やトレーサビリティ(追跡可能性)等、サステナビリティの取り組みを強化している。
 Birla CelluloseのCMOであるManMohan Singh氏は、Birla Viscose EcoSoftについて、「竹を原料としたセルロース繊維には、消費者が求める快適性や光沢のあるドレープ性等、多くの利点がある。この繊維を使用するメーカーは、品質の良さと環境への配慮を実現し、消費者のニーズに応える衣類を供給できる」と自信を見せた。