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2014年7月1日に統合しました

(E U) 欧州委員会、意図的に添加されるMP規制案を採択

2023年10月10日
日本化学繊維協会

環境

欧州委員会、意図的に添加されるMP規制案を採択

 9月25日、欧州委員会は、「化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規則(REACH)」に基づき、「意図的に添加されたマイクロプラスチックを制限する規則」を採択した。その後、9月27日、欧州連合の官報でREACH附属書XVII (マイクロプラスチック制限)を修正する改訂規則が公布された。
 本規則は昨年8月、欧州化学品庁(ECHA)が規則の原案を発表、本年4月、欧州委員会REACH委員会での投票の結果、賛成で決議、欧州議会と理事会による精査を受けていた。
 欧州委員会によると、今回の規則により、EU市場では、マイクロプラスチックおよびマイクロプラスチックが意図的に添加された製品、使用時にマイクロプラスチックを放出する製品の販売が禁止される。正当な理由がある場合には、対象除外または移行期間が設けられる。欧州委員会によると、この規則により、約50万㌧のマイクロプラスチックの環境への放出が抑制されることが期待されている。
 今回の規則では、マイクロプラスチックに関して幅広い定義を採用しており、有機性・不溶性・難分解性で5㎜未満の合成ポリマー粒子が対象。欧州委員会は、対象例として以下を挙げている。
〇人工芝に使用される粒状の充填剤:これは意図的なマイクロプラスチックの最大の排出源となっている。スポーツピッチの所有者や管理者が代替物に切り替える時間およびスポーツピッチの寿命期間を考慮し、8年後に適用。
〇化粧品:マイクロビーズや特定の質感・香り、色を得るためなど様々な目的で使用されるマイクロプラスチック。マイクロビーズを含む化粧品は施行後直ちに適用、その他の化粧品は4~12年後に適用。
〇洗剤、柔軟剤、光沢剤、肥料、玩具、医薬品・医療機器など。
なお、工業用に使用される製品や使用時にマイクロプラスチックを放出しない製品(例:建設用素材)は、対象から除外され、引続き欧州市場で販売が可能となる。但し、製造業者は、製品から排出されるマイクロプラスチックの推定量を毎年ECHAに報告するほか、マイクロプラスチックの排出を防ぐために、製品の使用や廃棄に関する説明を提供する義務を負う。
 欧州委員会では、今後、規則の運用に関して、これまで関係者や加盟国から寄せられた多くの質問などを踏まえ、非公式なQ&A文書を2023年末までに欧州委員会のウェブサイトで公開する予定としている。