日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(中国) 2023年1~9月の産業用繊維品業界の業況

2023年11月30日
日本化学繊維協会

繊維景況

2023年1~9月の産業用繊維品業界の業況

 中国産業用繊維品協会によると、2023年第1~3四半期(1~9月の)産業用繊維品業界の業況は以下の通り。
 現在、世界経済は様々な不確定要素に直面、下向き圧力は強まっている。中国の産業用繊維品業界は、2023年第1~3四半期、複雑で厳しい内外の環境に直面したものの引続き回復傾向にあった。生産の回復は緩やかであるが、主要指標の減少幅は月ごとに縮小した。輸出は、海外需要の低迷から減少した。
 生産面は、1~9月の規模以上不織布企業の不織布生産量は前年同期比3.7%減となった。月平均の生産をみると、第3四半期は前期比2.6%増加、回復を示している。同期間のタイヤコード生産は、自動車需要の回復から同4.4%増であった。
 経営面は、1~9月の規模以上産業用繊維品企業の売上と利益は前年同期比で、それぞれ6.6%減、29.7%減となった。営業利益率は3.4%、業界の赤字企業の割合は23.6%であった。産業用繊維品業界の主要経済指標は回復傾向であるが、原料価格の変動、需要不足、激しい市場競争といった課題に直面している。分野別にみると、不織布企業の売上と利益は同5.2%減、同37.3%減であった。縄、ロープ、ケーブル企業の売上と利益は同4.5%減、同51.6%減であった。ベルト、タイヤコード企業の売上と利益は同6.4%減、同38.4%減であった。テント、帆布企業の売上と利益は同14.5%減、同26.5%減であった。フィルター、土木工業用繊維品などその他産業用繊維品企業の売上と利益は同5.6%減、同15.6%減であった。
 2023年第1~3四半期の産業用繊維品業界の上場企業33社の売上高は前年同期比1.3%減、利益は同1%増と全体的に安定を維持した。そのうち、10社は、売上と利益はどちらも増加、9社は赤字であった。全体的に衛生用繊維品企業の業績は良好であった。
 貿易面では、1~9月の産業用繊維品業界の輸出額は前年同期比13.2%減の294.3億㌦、輸入額は同15.8%減の39.4億㌦であった。輸出を製品別にみると、コーティング織物、フェルト/テントが2大輸出製品であり、それぞれ34.2億㌦、30.5億㌦であった。不織布の輸出は、前年同期比6.5%増の96.9万㌧であったが、輸出単価が下がり、輸出額は同4.5%減の28.7億㌦であった。使い捨て衛生用品(おむつ、ナプキンなど)の輸出は同13.9%増の24.8億㌦と好調であった。