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(スウェーデン) Renewcell、破産申請

2024年02月29日
日本化学繊維協会

環境

Renewcell、破産申請

 2月25日、リサイクルパルプ「Circulose」を展開する繊維リサイクル企業Renewcellの取締役会は、破産申請を行うことを決定、破産申請をストックホルム地方裁判所に提出した。
 2月27日、ストックホルム地方裁判所は、同社の破産申請を承認する決定を下した。破産管財人に指名されたのは、Cirio AdvokatbyråのLars-Henrik Andersson弁護士であった。
 Renewcellは、2012年にストックホルムのスウェーデン王立工科大学のイノベーターによって設立された企業であり、使用済み衣類や端材などのセルロース繊維廃棄物をCirculoseにリサイクルする特許取得済みのプロセスを開発している。Circuloseは、TIME誌の2020年のベスト発明100リスト(Best Inventions 2020)にも選ばれている。
 同社によると、破産申請の理由は、2023年11月に発表した戦略的見直しを満足のいく結果で完了するために十分な資金を確保できなかったためであるとしている。戦略的見直しの一環として、同社は2大株主であるスウェーデンの大手ファッションブランドのH&M、ドイツのバイオテクノロジー企業Girindus、同社に融資しているBNPパリバ、欧州投資銀行等の利害関係者と長期的な資金調達方法について交渉を進めてきたが、協議の結果、Renewcellが今後の事業を確実に遂行するために必要な流動性と資資金の提供につながる解決策を見出すことができなかったという。
 Renewcellは、Ortvikenに年産6万㌧の工場を有しており、2023年7月、Circuloseの安定供給による循環経済推進を目的とした「Circulose Supplier Network(CSN)」の立ち上げを発表、オーストリア、バングラデシュ、中国、インド、インドネシア、イタリア、メキシコ、パキスタン、ポルトガル、スペイン、スリランカ、トルコの12ヶ国の繊維メーカー・繊維製品メーカー47社でスタートした後、2024年2月時点ではその規模は151社まで拡大している。