日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(E U) Horizon Europeの重点プログラムに「未来の繊維」

2024年03月29日
日本化学繊維協会

繊維政策

Horizon Europeの重点プログラムに「未来の繊維」

 3月20~21日、欧州委員会が、European Research and Innovation Daysを開催した。この中で、欧州委員会は研究開発プログラム「Horizon Europe」の最後の3年間(2025~27年)の戦略における3つの重要な戦略方向として、①グリーン移行、②デジタル移行、③回復力、競争力、包括的で民主的(resilient, competitive, inclusive and democratic)な欧州を示した。同時に、欧州委員会は、この3つの戦略のもと、9つの新たなパートナーシップを発表している。これらのパートナーシップは、Horizon Europe戦略計画(2025~2027)の中核となるものであるが、この中のひとつに、未来の繊維(「Textiles of the Future」)が選定された。その他、脳の健康、持続可能な未来のための森林と林業、グリーン/デジタル移行のための原材料、回復力のある文化遺産、太陽光発電、仮想世界などが重要プログラムに指定されている。
 欧州繊維産業連盟(EURATEX)は、この度の欧州委員会の未来の繊維プログラムの選定の決定を、欧州の繊維企業の競争力維持に資するとして歓迎している。EURATEXのDirk Vantyghem事務総長は、「サステナビリティと競争力の両方を実現させるためには、イノベーションが必要。欧州の繊維企業が、サステナブルな繊維製品の分野で世界でリーダーシップを発揮するために、Horizon Europeが重要な役割を果たしている」とコメントした。
 この度の新たなパートナーシップの一つである「Textiles of the Future」は、欧州技術プラットフォーム(European Technology Platform: ETP)との共同管理により推進される。
 ETPのLutz Walter事務総長は、「繊維研究は、長年、欧州の研究・イノベーション枠組みプログラムの一部であったが、このパートナーシップは戦略に焦点を当てている。欧州の繊維産業が、グリーン/デジタル移行のほか、繊維研究、技術開発、高度な教育において、世界におけるリーダーシップを強化するために必要。ETPは、欧州の繊維イノベーションのエコシステムに携わる関係者との協力関係構築により、このパートナーシップを成功させられると期待している」とコメントした。