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(中国) 新鳳鳴の2023年の売上が過去最高

2024年04月10日
日本化学繊維協会

業績

新鳳鳴の2023年の売上が過去最高

 3月26日、大手ポリエステル、PTAメーカーの新鳳鳴集団の年次報告書が発表された。2023年の売上は前年比21.0%増の614.69億元、上場以来同社の売上は着実に伸びており、2023年は過去最高を更新した。
 2023年の損益は、10.86億元の純利益となり前年の赤字から黒字に転換した。
 同社の主要業務は、ポリエステル長繊維、短繊維、PTAの生産と販売である。同社の2023年のポリエステル長繊維の年間生産量は中国第2位となった。2024年3月時点で、同社のポリエステル長繊維生産能力は年産740万㌧、国内市場シェアは12%を占める。2024年、同社は新たに年産40万㌧のポリエステル長繊維の生産能力が増加する見込み。一方、同社のポリエステル短繊維の生産能力は年産120万㌧である。
 中国全体のポリエステル長繊維の2023年末時点での生産能力は4,286万㌧、前年末から10.0%増加した。そのうち、業界上位6社の生産能力は全体の総生産能力の7割近くを占める。今後、大型トップ企業はその規模と技術の優位性によって、引き続き増設を行うことで、業界集中度はさらに高まっていく見通しである。2024年、2025年、中国のポリエステル長繊維の新規増加生産能力は、トップ企業を中心にそれぞれ年産265万㌧、同285万㌧が計画されている。
 中国国内の2023年のポリエステル長繊維の需要は前年比22.8%増と市場予想を上回った。そのため、ポリエステル長繊維の現在の在庫は、2022年のピークと比べて大きく減少、ポリエステル長繊維の2023年年間平均稼働率は90%近くと2017年以来の最高水準となった。
 2023年の新鳳鳴集団の主要製品の生産・販売量は、上記の状況を受け、いずれも増加した。ポリエステル長繊維の生産と販売はどちらも前年比約20%増となり、かつ販売量の増加幅が生産量を上回り、在庫は減少した。同社の全体的な粗利益率は5.51%となり、前年比2.12ポイントの上昇となった。
 新鳳鳴集団は、ポリエステル原料などの川上産業チェーンを積極的に開拓しており、同社のPTA生産能力は、現在計画中の年産540万㌧(2026年上半期稼働開始予定)を加えると、同社のPTA生産能力は1000万㌧に達する見込み。