環境対応
RadiciGroupのナイロントレーサビリティプロジェクト
大手ナイロンメーカーRadiciGroupが、ナイロン製品のトレーサビリティを物理的かつデジタルで行いサプライチェーン全体の透明性を保証するプロジェクトの立ち上げを発表した。
このプロジェクトは、先端的なトレーサビリティ技術を提供するシンガポール企業FibreTraceとのパートナーシップにより推進されるもので、RadiciGroupは自社工場で生産されるナイロン糸に識別可能なトレーサー (無機添加剤) を挿入し、生地から二次製品にわたるすべての段階を通じて識別可能とする。
製織以降の各段階では専用のスキャナーによりトレーサーを検出し、履歴に関するデータを専用のデジタルプラットフォームに送信する。
最終的に、消費者はQR コードを介して、製品の出所とサプライチェーンを経る過程におけるすべての情報の提供を受けることができる。
なお、同社は糸段階でトレーサーを添加しても糸自体の美観、機能性、性能などに影響はないとし、このトレーサビリティにより、消費者が衣料品の生産・加工履歴を把握、持続可能な製品の購入の選択をできるようになるだけでなく、EUが推進するデジタル製品パスポート(DPP)規制の原則に沿って、偽造品を排除し、欧州で生産された製品を奨励するのに資するとしている。
Radiciの研究開発チームはこのプロジェクトに約2年を費やし、2024年4月下旬フランクフルトで開催された欧州繊維産業の主要見本市にてこの実践的なプロジェクトを公開した。
今後、この取り組みをグループが生産する他の繊維にも拡大する意向である。