日本化学繊維協会と炭素繊維協会は
2014年7月1日に統合しました

(スウェーデン) AltorがRenewcellの残存資産を買収へ

2024年06月20日
日本化学繊維協会

経営

AltorがRenewcellの残存資産を買収へ

 6月4日、経営破綻したスウェーデンの繊維リサイクル企業Renewcellは、Ortvikenの生産工場などの残存資産を、スウェーデンの投資会社Altorが買収することを発表した。同時に、RenewcellはCirculoseと社名を変更した
 Altorが新しい所有者となったことで、Circuloseは、将来の事業運営を保証するための資金調達が可能となり、同社の先駆的なリサイクル技術の運用が継続することになる。
 Renewcellは、2012年にストックホルム王立工科大学の研究者や起業家らのメンバーによって設立。使用済み繊維製品や生産工程で出る端切れなどのセルロース系繊維廃棄物をクローズドループによりリサイクルする技術を有しており、このプロセスを通じてリサイクルセルロース繊維向け溶解パルプCirculoseを開発・生産している。 同社は売上不振もあり、2023年11月に事業立て直しのための戦略的見直しを発表、その後、今後の事業を確実に遂行するための十分な資金の確保と解決策を見出すことができなかったとして、2024年2月にスウェーデンの裁判所に対して破産申請をしていた。その後、同社のパイロットプラントのKristinehamn工場はスウェーデンのサステナブル素材メーカーBiosorbeが買収していた。
 Circuloseは、今回のAltorの残存資産の買収について、「繊維to繊維リサイクルを実現するCirculoseパルプ事業はAltorからの投資によって強化され、Circulose Supplier Network(CSN)のパートナーに対しても高品質な素材を提供し続けることが可能になった。」と述べている。