経営
TreeToTextileとLenzingがセルロース繊維開発で提携
オーストリアのセルロース繊維会社Lenzing Groupがスウェーデンのセルロース繊維会社TreeToTextileに資本参加、繊維および不織布用途向けの再生可能で資源効率の高い新しいセルロース繊維の開発を推進する。新繊維の開発は従来のコットン素材の用途の一部を代替し、環境負荷の大幅な削減を目的としている。
TreeToTextile ABは、スウェーデンの起業家が2014年に設立した企業で、再生可能で資源効率の高い新しいセルロース繊維の開発と商品化を手掛ける。同社の繊維開発は、生産工程において投入する化学物質の削減、使用する用水とエネルギーの節約により環境への影響を最小限に抑える一方、コスト効率と繊維特性の向上による製品価値の向上にも注力している。
現在の同社の主要株主はH&M Group、Inter IKEA Group、Stora Enso、LSCS Investであるが、今回これにLenzing Groupが参加する。
TreeToTextileは、2016年に繊維生産を開始、2017年開発繊維の初の実証を行った。2019年にはヘルシンキに本拠を置く林産企業Stora Ensoが資本参加し、2023年にStora EnsoがNymöllaに有する敷地においてスウェーデンエネルギー庁の財政支援のもと試験工場を稼働した。2024年6月には、同工場で開発繊維の初の量産が行われ、その後、継続的な開発が精力的に行われている。
今回の両社の合意は、企業結合の届出に伴う待機期間と関係当局による規制上の承認を経て実行される。