環境素材
新郷化繊、次世代セルロース繊維のパイロット生産開始
このほど、新郷白鷺投資集団傘下の大手セルロース繊維メーカーの新郷化繊は、河南省新郷市で次世代セルロース繊維の小規模パイロット生産ラインを立ち上げた。
このラインで生産される再生セルロース繊維BylurRecelは、原料のほとんどをホテルで使用後廃棄されたリネンなど使用済み繊維製品を用い、一部は工程屑を混用して使用する。
生産工程は従来の溶解パルプ工程ではなく、直接溶解法を採用した簡素化された製造プロセスが特徴である。この生産方法はまだ初期段階であるが、エネルギー、水、化学薬品の使用量を削減することで、環境保全における潜在的なメリットが期待されるとしている。
パイロットラインのセルロース繊維の初期生産能力は年産1,000㌧で、2025年中に600㌧規模の生産を見込んでいる。また、第2ラインとして年産1,000㌧の長繊維ラインを開発中である。同社はパイロットラインの稼働状況とサプライチェーンの動向をみつつ、今後の増産規模の目標を設定する予定。
同社は、世界の森林保護に取り組むカナダの非営利団体Canopyと2018年から提携しており、今回のパイロットプラント稼働に際してCanopyはHPにおいて「まだ開発の初期段階ではあるが、このプロジェクトが中国のセルロース繊維産業がより循環型で次世代型の生産へと移行していく上で、注目すべき一歩となる。この技術がどのように機能し、新郷化繊がいかに迅速に商業規模に導入できるかに期待している」とコメントしている。
新郷化繊の主要な製品は、bailuブランドのレーヨン短繊維(年産10万㌧)、同長繊維(6万㌧)およびスパンデックス(6万㌧)。
また、SödraのリサイクルパルプOnceMoreを使用したレーヨンフィラメント糸Bailu-Ecoを生産している。